フィルム写真だけの個展「GLOW」を開催します
こんにちは。今回久々にnoteを開いたら最初に投稿してから4年も経過していました。4年も経過していてびっくりしたのですが、4年間ずっと写真を撮り続けていたことにも同じくらいびっくりしました。
もともと何かをやるにあたって、興味がないとすぐに次の興味あるものに手を出すタイプなんですが、この「写真」というものに出会ってからは飽きることなく、常に僕を楽しませてくれています。また、写真を撮って見てくれる人がいるというのも写真を続ける一つの要因になっているので、普段見ていただいている方には感謝しかありません。
写真展「GLOW」について
この写真展は、日常の中に潜む美しさと、自然が持つ静かで力強い輝きを捉えた作品達で構成されています。フィルム写真特有の柔らかい質感と色彩が、風景や人物に内在する光を引き出し、まるでその瞬間が永遠に輝き続けるかのように見せます。「GLOW」は、目に見える光だけでなく、被写体が放つ感情や想い、その場の空気感までもが放つ輝きを意味しています。
今回の写真展「GLOW」は、フィルムの特性を最大限に生かし、自然が持つ内なる輝きを捉えた作品を集めました。フィルムはデジタルでは表現しきれない、微妙な色彩や質感を映し出すことができる媒体です。その特徴を使い、僕が感じた「光」や「輝き」を写真に封じ込めました。
「GLOW」というタイトルには、単なる光の描写ではなく、その光が持つ意味や力、そしてその奥に潜む静けさを表現したいという想いを込めています。日常の中で見過ごされがちな一瞬の輝きを捉えることで、観る者が新たな視点で世界を見つめ直すきっかけになればと願っています。
僕にとってフィルム写真は、ただの記録手段ではなく、心の中にある想いを形にするためのアートです。この展示を通じて、僕が感じた光とその温かさを、皆さんと共有できれば幸いです。
光とフィルムの魅力
光は、僕の写真において最も重要な要素の一つです。光がなければ写真は存在せず、光の質や角度、強さによって写真の表現は大きく変わります。フィルム写真は、その光を美しく繊細に捉えるための特別な手段だと考えています。
フィルムは、光を受けた瞬間のすべてを、そのままに記録することができます。デジタルと違い、撮影後の編集が限定されているため、撮影するときはその場での光の状態に敏感になり、一瞬一瞬を大切にします。フィルムに写る光は、偶然と計算の絶妙なバランスで成り立っており、その瞬間だけの独特な色彩や質感を表現することができます。
また、フィルムには一種の温かみがあります。これは、フィルムの粒子が光を受けて発色する特性に由来するものだと言われています。光がフィルムに当たり、その化学反応で生まれる画像は、デジタルでは再現できない深みと奥行きを持っています。そこに惹かれて今なお一部ではフィルム写真が人気となっています。特に自然光の柔らかさや、夕暮れ時の暖かい光は、フィルムならではの表現力で、観る者の心に直接訴えかけるような感動を与えてくれます。
フィルム写真の魅力は、光の美しさをそのままに、そして自然に捉えることができる点にあります。フィルムが映し出す光は、物理的な光だけでなく、被写体が放つ内面的な輝きも引き出す力があると僕は信じています。
光とフィルムが出会うことで生まれる、偶然の美しさと感動。これこそが、僕がフィルム写真に魅了され続ける理由です。
120mmフィルムの魅力
120mmフィルムは、35mmフィルムとは一線を画すフォーマットで、その最大の魅力は「解像度の高さ」と「ディテールの表現力」にあります。フィルムのサイズが大きいため、より多くの情報を捉えることができ、その結果、非常に細かなディテールまで鮮明に表現されます。これにより、写真全体に豊かな質感と深みが加わり、作品に強い存在感を持たせることができます。
また、120mmフィルムは、撮影時のフレーミングや構図に対してより慎重に取り組む必要があります。一枚一枚の撮影に時間をかけ、構図を吟味することで、作品に独特の緊張感や重厚感が生まれます。これは、大きなフィルムサイズによって許容される浅い被写界深度や、豊かな階調表現を生かすための意識的なプロセスと言えると思います。
さらに、120mmフィルムならではの特性として、フィルムのサイズが大きいことで、最終的に得られるプリントのサイズも大きくなり、それが被写体の質感や光の表現を一層引き立てます。これにより、観る者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わうことができるのです。今回の写真展ではそこも意識し、大きく印刷した作品も是非見ていただきたいです。
どうしてフィルムで撮り続けるのか
フィルム写真で撮り続ける理由は、単に写真を撮る以上の体験と深いつながりを感じられるからです。
まず、フィルム写真は時間と手間をかける過程そのものが魅力です。フィルムを装填し、露出や焦点を慎重に設定し、一枚一枚を大切に撮影するプロセスは、写真を撮るという行為に重みと意味を与えてくれます。シャッターを切る瞬間に感じる緊張感や高揚感は、デジタルでは味わえないものであり、その瞬間を大切にすることで、写真に対する愛情や思い入れがさらに深まります。
また、フィルムには独特の「不確実性」や「偶然の美」があります。現像するまで結果がわからないことが、フィルム写真の魅力の一部です。時には、予期せぬ光の加減や現像の過程で思いがけない美しさが現れることもあります。そのような偶然の要素が、フィルム写真にはアートとしての神秘性をもたらしているのです。
さらに、フィルム写真は物理的な「モノ」として存在します。ネガは時間とともに味わいを増し、劣化さえも写真の一部として価値を持ちます。手に触れることができ、世代を超えて残るアナログなメディアとしてのフィルムには、デジタルでは得られない存在感と永続性があります。
僕はフィルム写真を通じて、被写体と真摯に向き合い、瞬間を慎重に切り取ることの大切さを再確認しています。そして、その過程で得られる満足感や達成感は、他のどの手法でも代替できないものです。フィルムは、僕にとって単なる技術ではなく、写真と人生を深く結びつけるアートの一部なのです。これが、僕がフィルム写真で撮り続ける理由です。
このGLOWを見にきてくれる人に一番伝えたいこと
今回の「GLOW」展で見に来てくださる方々に一番伝えたいことは、「光が持つ力と、それが私たちの心に与える影響」です。
この展示では、フィルムというアナログな手法を通じて、自然が放つ様々な形の光を捉えています。その光は時に鮮やかで力強く、時に静かで繊細です。それぞれの写真には、光がその瞬間に生み出す美しさや感動が込められています。
僕はこの展示を通じて、光が持つエネルギーやその儚さ、そしてそれを感じることの大切さを皆さんに伝えたいと思っています。光は単なる視覚的な現象ではなく、僕たちの感情や思考、記憶に深く結びついています。日常の中で見過ごしてしまいがちな光の美しさや、それが心に与える影響に目を向けていただきたいのです。
写真展「GLOW」は、光が放つ一瞬の輝きをフィルムに焼き付けた作品の数々です。訪れた方々がそれぞれの写真から、自分だけの光を見つけ出し、それが心の中に残るような体験をしていただければ、それ以上の喜びはありません。
皆さんに、この光の旅を一緒に楽しんでいただけることを願っています。
森下 元喜 MORISHITA MOTOKI
1991年生まれ、愛知県在住。
フィルム写真の持つ柔らかい表現と光の捉え方に惹かれてフィルム写真を中心に活動。今回初の個展開催となる。
中判フィルムで撮る写真作例
個展会場案内
●Gallery「pieni Onni」2024.11.4(mon)-10(sun)
住所:岐阜県岐阜市清住町2丁目4-2 大一グリーンビル1F
名鉄岐阜駅から歩いて約5分 近くに駐車場はありますが、ギャラリーには駐車場ありません。入場無料。写真販売あり。
東京での展示があるため、展示会場での写真撮影禁止となります。
開場時間 13:00~19:00 最終日11.10(sun)のみ18:00まで
在廊日:11.4・5・10は在廊確定しています。それ以外は未確定。
●Gallery「SUMMER of LOVE」2025.1.17(fri)-20(mon)
住所:東京都杉並区高円寺南4-41-6
JR高円寺駅南口徒歩約2分 ギャラリーには駐車場ありません。入場無料。写真販売あり。会場内での写真撮影可 ※撮影制限あり
開場時間 13:00~19:00 最終日1.20(mon)のみ13:00~18:00まで
在廊日:個展開催中はほとんど常に在廊しています。
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