人生、転職、やり直しゲーム 第1章

【結婚】

乱子ちゃんはノリがいい。
打てば響くような反応が嬉しい。
それに、喘ぎ声に混ざって、
関西弁が聞けるのが、何とも生々しい。
しかし、ちょっとしたことで怒るのが
幸恵と似ているのが気がかりだが。
いや、幸恵と乱子ちゃんは違うはずだ。

幸恵は汚い部屋で
俺に文句ばかりぶちまけた。

勘太郎の世話もせずに
こっそり風俗でバイトしてみたり、
心療内科の薬を切らすと訳の分からないことを
ブツブツ言って、こっちを疲れさせる
アトピー持ちの電波女だけど、
乱子ちゃんは青春真っ只中の女子大生だ。
明るくて、
俺のバカに付き合ってくれて、
部屋もそこそこ綺麗にしていて、
若くて可愛い。お肌もすべすべ。

愚痴が出ても、
せいぜい、バイトの給料が少ない、
学校の偏差値をバカにされた、
関西弁を直せと言われた、
程度の不満しかない。
乱子ちゃんといると、
こちらまで元気が出てくる。

下半身が証明済みだ。
日々、ちょっとしたことで、
課長に怒鳴られっぱなしだからストレスが溜まって、
それほど自信はないが、
乱子ちゃんはあまり経験がなさそうだから、
ばれないだろう。
乱子ちゃんの同級生と比べられたらいやだけど。


最近、男として、自信を失いかけていた俺を
乱子ちゃんは受け入れてくれた。
仕事を辞めようと何度も思ったが、
乱子ちゃんとおいしいご飯を食べるためには、
歯を食いしばってもう少し続けよう。

俺はゴムを外して、玉結びしてゴミ箱に捨てた。

しかし、俺とは対照的に
乱子ちゃんは冷静だった。

「ねぇ、無能さんって、結婚しているん?」


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