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水に流す

昨日の夕方から雨が降り出した。
しばらく振りの雨で、身体まで潤ったようだ。
改めて水のありがたさを思う

「水に流す」という言葉は日本独特のものだという。
水の豊富な国だから生まれた文化だろう。
水に浸かって穢れを清める、洗い流す「禊ぎ」と同じことだ。

私は根にもたない質(タチ)である。
嫌なことがあっても水に流してリセットすれば、ストレスにはならない。
なかなか流れてくれない時もあるが。
一種の健康法だ。

それに、身体は水分でできているから、水面や流れる水を見ていると、すさんだ心も静かになり落ちついてくる。
共鳴しているのかもしれない。

赤ちゃんは80%が水、年寄りは50%まで身体の水分は減っているそうだ。
しわが増えるはずである。

島は周りが海だし、雨が多いので川も多い。
谷になっているのでゆったりと流れるのではなく、石の多い荒々しい川だ。
一度流されて死ぬめにあったのでトラウマがある。
危険だが、真夏でもひんやりしてマイナスイオンが漂っている。

川といえば浮かぶ文章がある。
「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」

鴨長明「方丈記」の冒頭だ。
まさに流れるような名文である。
三大随筆と言われる、「徒然草」「枕草子」「方丈記」どれも書き出し部分が傑出している。

年を経ると、試験のための暗記の頃と違って、しみじみとことばが染み込んでいき、「ああ、いいなあ」と思う。

なかなか文章が進まなくて外を見たら、月が煌々と庭を照らしている。
今日は満月だったのか。
雨もやんでくっきりと月暈(ハロ)までかかっている。
これは幸運の訪れの前兆だという。
いいことあるかな。


島の水の写真を。


満月は見られましたか?
今日も拙い文章を読んでくださってありがとうございます。

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