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#同じテーマで小説を書こう:母艦を離れて⛴🛩

私には所謂
実家
というものがない

あんな所が
実の家であってたまるか

と思えるような場所ならあった
私はソコを離れた

ハズだった

だけど、よく夢に出てくる

今日はそんな夢の話。。
今朝みた夢の話。。。

※少し過激にゃ描写がありますにゃー〇
精神と時間に余裕のあられる貴方は
良ければご覧下さいませ☆

大丈夫です!最後はハッピーエンド
ですにゃ😆

それでは、どうぞですっ🐾

☆☆☆

四角くて真っ暗で冷たい部屋の
端っこで正座をして土下座をする

冷気だけが床下から音も無く忍び込み
栄養不足で痩せきった私の手足を冷やし
中枢感覚も麻痺させていく

ここに来て何分、何十分
いや、もう何時間経過したろうか

見えない時計の針だけが静かに
カチカチとその歩みを続ける

あぁ。この時間があれば
あの小説の続きが読めたのになぁ。

朦朧とした意識の中で
そんなことを考えながら
日々の寝不足を補おうと
意識を緩やかに手放す

その時、パンっと勢いよくドアが開いた
暗かった部屋に眩いばかりの光が
一気に押し寄せる

「来なさい」と母親に言われて
四肢が痺れる中、言われるがまま
部屋を出て居間に向かう

TVのCMが大音量で流れていた

「座れ」と父親に言われて
木製の板の上にまた正座をする

目が覚めた

真っ暗な部屋の中だ

先程と同じように呼び出されて
また同じように正座をしていた

殴り飛ばされ
蹴り飛ばされ
放り投げられ

床一面に赤い液体が
散らばっていく

椿みたいで綺麗だなぁ。

私の体内を巡る液体は
ろくに栄養を与えられなくても
鉄分の美味しい味がするんだなぁ。

そんなことを思いながら
心の中で叫んでいる私がいる

「私、どうしてここにいるの!」

目が覚めた

真っ暗な部屋は
生温い空気に包まれていた

笑顔の仮面を貼り付けたような顔と声で
両親が私を呼ぶ

「一緒にTVを見よう」

そう言われて大人しく居間で
一緒にTVを見る

身体を弄るように触ってくる
4つの手を意識半分で
気持ち悪く感じながら

あぁ。時間が勿体ないなぁ。
この時間があれば学校の図書館で
お気に入りの図鑑が読めたのになぁ。

でも珍しく比較的穏やかだから
まぁ良いかぁ。

そんな考えが頭の隅っこで
ぽわぽわと浮かぶ

「騙されるな!それは幻だ!!」

心の中で叫び声がした

目が覚めた

真っ暗な部屋にいた
次の瞬間

部屋が寝殿になった

平安時代に良く見かけられる
畳で丁寧に敷き詰められた空間

そこへ紅白の和服を着用した
巫女のような姿の女性が現れ
私に綺麗な着物を着付けてくれる

絹のような滑らかな肌触りで
朱色の大輪が咲き誇る美しい着物だ

その美しさに見惚れつつも
よく分からないまま辺りを見渡すと
和服姿の男性が向こう側にいた

見たことの無い人だったが
優しい光に包まれていた人だった

その光で顔はいまいち見えないけど
笏(しゃく)を真っ直ぐに構える
威風堂々としたその佇まいに
どこか安心感を覚えていた

着物を着付け終えて貰えた私は
平安時代の正式な座り方とされる
立て膝でいつの間にか座っていた

すると目の前にゆるゆると
御簾(みす)がおりていく

しなやかな強さを持つ竹で
しっかりと編み込まれたような
その御簾の向こうに

2つの影が浮かび上がる

「こんな所にいたのか!」
1つはドスの利いた怖い声

「そんな所にいないで!」
1つは媚びるような薄い声

聞き覚えのある声に怖じ気づいて
私は光る男性の方を思わず見る

男性は何も言わず
ただ私の目を見つめて
首を縦にゆっくり振った

私は一言

「さようなら」

と告げた

影は瞬く間に消え去った

私は光る男性の元に赴き
三つ指を畳につけ
頭を深く垂れてお礼を伝えた

「有難う御座います。」

その礼を受けて
彼は「行きなさい。」と
柔らかい声をかけてくれた

一面が優しい光に包まれた

目が覚めた。
リアルだ。。

ふぅー。と思わず息をはく

鼻先から肺いっぱいに吸い込まれた
朝の新鮮な空気が体内を巡り
ゆっくりと口から放出される

小鳥のさえずる声がする

隣にはスキな人が
私の猫語をむにゃむにゃと
呟いている

微笑ましくて
少し笑ってしまう

そして、ゆっくりと独り
身支度を整えながら夢の回想を始める

この類の夢を見る度に
私はあの影にきちんと
別れを告げられるようになった

見始めた頃は逃げられないと
だた悲観して必死に抗っていただけ
だったけど、少しずつ
精神的に離脱出来ているようだ

その確認が取れて
少し安心する

実家がある

ということは

還る場所がある

ということ

それは喩えるなら
社会という戦場で疲弊した
戦闘機にとっての母艦のような存在

だけど、私には母艦はない
還る場所もない

とは言え、何も哀しむことはない
ないなら創れば良い
ただ、それだけの話なのだから

1つの巣に2匹の女王蜂が生まれた時
1匹は幾匹かの部下を連れてまた新しい
巣を自らの手で創るらしい

幸い、私にも
こんな私を好いてくれる人が
いてくれた

だから彼らと共に私は
新しく母艦を創ろうと思う

そして私の大切な人達が
いつでも嬉々として還られる場所を
創りたい

そんな場所に私も還りたい

そう思いながら家を出て見上げた空に
トンボが一匹、悠然と飛んでいた

☆☆☆

本日も最後までお読み頂き、有難う御座います♪🐈

日常と非日常を放浪し、その節々で見つけた一場面や思いをお伝えします♪♪ そんな旅するkonekoを支えて貰えたなら幸せです🌈🐈 闇深ければ、光もまた強し!がモットーです〇