見出し画像

もりのきノはじまり

「おたるないバックパッカーズホステル杜の樹」は、1999年9月22日(水)北海道小樽に北海道で最も古いのバックパッカーズホステルのひとつとして誕生した。

その数年前、かみさんと二人で、ワーキングホリーディを利用しニュージーランドで1年間暮らしていた。その時、よく利用していたのが、バックパッカーズホステルである。のべで150軒以上250泊以上はした。

それらの宿は、旅人が集い、出逢い、語らい、そしてまた旅立っていく。
基本は男女別相部屋。自炊ができ、みんなが集まる部屋がある。
個室にこもるのではなく、そこに集った人々と、旅の情報交換や、他愛のない語らい、一緒に酒を飲み、時にはそこから一緒に旅に出る。
そんな自由な旅を体感できる宿がバックパッカーズホステルであった。

また、僕を惹きつけたのが、宿と町の関わり合い。
宿には食事の提供もなければ、カフェも、バーもない。オーナーもほとんど姿を見せないこともある。
僕らは自ずから町を歩き回る。小さな食料品店で食材を買ったり、村に一軒しかないレストランで食事をしたり。
そこに宿があるだけで、その小さな村に多少なりの利益を生み出すシステム。
町全体があたかも巨大なホテルのようでもある。
ちっちゃな宿がでっかいことやってるようにも思えた。

はじめは
「こういう宿は日本にはあまりないよね」が、
「日本にあったらいいね」となり、
「なければ作ろう!」と思いは変わっていった。

帰国後、宿になるべく場所探し。
はじめから、新築は考えて無く、古民家などを探し歩いた。
それは小樽でだけでなく、北海道中を。
でも、僕たちの目に留まったのは、郷里小樽の古い家。
ここを見つけ、約2年かけて改修。
そして1999年に「おたるないバックパッカーズホステル杜の樹」としてオープンした。

当時は、まだゲストハウスという言葉自体なく、まして、バックパッカーズホステルというのも一部のバックパッカーには知られていたが、皆無に近かった。
Windows98が発売されて翌年で、やっと一般家庭にもPCが導入され始めた頃で、スマホはもちろん携帯電話もまだ白黒で文字情報がほとんどだった。SNSなどなかったし、ネットで宿の予約ができるOTAも数えるほどしかない。hostelworldができたのも1999年だし、Googleだって1998年の設立で、日本のAmazonは2000年からだ。そんな時代だった。
ネットでホームページは当時から立ち上げていた。日本語と英語で。しかしながら、そうそうネットで予約が来るものではない。
友人知人やニュージーランドで知り合った旅人に手紙で知らせたり、とほ宿や全国各地の同じような宿屋にリーフレットを送ったりして、口コミで広めていった。
ただ、海外のバックパッカーの旅行が多かったため、道内国内の同じような宿をほとんど利用したことがないので、同業者に知り合いも少なかった。
とある同業の団体には、それに参会する気がなかったので、あまり歓迎されてなかったようだ。
当時も今もだが、組織に入るのを極力避けている。
独り旅が好きなので、宿も独立したものでありたいと思っているので。

それはさておき。。。

最初の2、3年はほとんど旅人の無い状態で、毎年徐々に増えていった。
今では日本国内、世界各地からの旅人にご利用していただいている。
が、今年(2020年)は、世界が一変した。
まるでオープン当時のようだ。
なので、今年は 20+1st Anniversary!

restart-1stannivのコピー

僕は、これからもこの宿で旅人を迎え、見送る。
でも、僕はいつまでも自由な旅をする旅人である。

「旅人は自由」だ。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?