おぞましいほど鮮やかな景色
小さい頃、祖父母の家に住んでいた。
両親は共働きで、父は数ヶ月に数日会える程度、母も夜寝る時一緒だったということくらいしか覚えていない。
すこし寂しかったが、両親からの愛情はたしかに受け取っていた。
父も母も兄弟も祖父母も好きだった。
祖父母の家は山奥のど田舎で、なにもなかった。
遊びは自分で生み出すしかなく、ひとり遊びが得意だった。
特に人形遊びが好きだったような気がするが、ぬいぐるみの耳もリカちゃんの髪も、妹にハサミで切られていたので悲しい思い出しかない。
だから本を読