見出し画像

4月21日

晴れ。カーテンの隙間から差し込む夕日が、笑っちゃうくらい見事なオレンジ色で、綺麗だなと思った。夕日を綺麗だと思う自分、を認識したのは久々で、というか過去にも一、二回あるかないかくらいで、そういうのって少し恥ずかしい。でも全然嫌じゃなかった。
昨夜は勉強を頑張ったから、試験は成功した。成功、大成功。二日前まで分からなかった構文が今は全部分かる。それがとっても嬉しくて、やっぱり夕日は綺麗だった。ノートに小さくはなまるを描いて、もう一度大きめのはなまるを描いた。

暗い部屋で勉強をしている。目が悪くなるって分かっているけれど、極限まで電気を点けたくない。暗いところ、狭いところが好き。差し込んだ夕日が眩しい。そのくらい、そのくらいが丁度良い。講義中、チョコレートをこそこそ食べているから、机の端には包み紙の山。

勉強、勉強、試験。勉強でいっぱいになってしまって、お昼ご飯を食べ損ねたな、と終業後に気づいた。友人を思い出す。友人は、論文に熱中して、お腹が空いたら昼夜問わずハリボーを食べて、外が明るくなったり暗くなったり、今何日で、何曜で、とか分からないままずっと机に向かって、完成翌日に食べ放題に行って、いきなり胃に食事を入れたから気持ち悪くなっていた。本当に、本当に好き。

献立通りに動くことができない。何故。一週間の献立がすべて成功したことは、まだ一度もない。献立をしっかり守って作れるひとは、すごいしかっこいいな、と思う。夕飯、麻婆豆腐は美味しかった。豆腐を手の上で切ることに、少しだけ慣れたらしい。良いこと。途中で、キムチとチーズを投入して温めてみた。チーズはなにを相手にしても合う、そっか。うそじゃないんだ。本当なんだ。

今、少しだけ本を読んでいる。眠い。だから、今日はホラー短編集を一冊だけ。恩田陸先生の「あまりりす」が面白かった。不気味なものはきっと、その正体が最後まで分からないものなのだと思う。
練りに練られたホラー小説、怪異を暴いていく過程も好きだけれど、それはミステリーを読んでいる時のぞくぞく感に近い。「あまりりす」は、分からないものが分からないまま終わる、そういうホラー小説だった。恐ろしいなにががいるということは分かるのに、それが果たして何なのか、何故襲われなければならないのか、全く分からない。そういう理不尽さ。
ホラーが好きだ、が、夜読むときは隙間と背後が気になる。壁を背にして読むけれど、壁から手が出てくる想像もする。そわそわした感覚が、とても良い。鏡は今、そもそもそんなに見ないから平気。鏡という概念は好きだけれど、鏡に映る自分の造形をあんまり見ていたくないから。

椎名うみ先生の漫画は、「こわい」を描くのが上手すぎてこわい。

鏡を見て、前髪を直す仕草をしてしまう、私、をまだなんか、なんかうまく呑み込めない。でも直したくなってしまう。うーん……。

大好きな女の子がいる。
彼女は私をとっても可愛く描いてくれて、彼女が私にくれる「可愛い」という言葉に愛という文字が入っていることが、私はなによりも嬉しいなと思った。
世界一可愛い大好きな女の子の目に映る私は、とっても可愛い。私は、可愛くここに在ります。だからきっと大丈夫。今日はいい夢見るね、絶対。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?