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ミャンマーと寄付文化

こんにちは。

実は、ミャンマーは、世界一の寄付大国らしい。
寄付大国アメリカを抜いて、世界1位!
(2018年のイギリスのCAF World Giving Index より)

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寄付金額の平均は、月5000円ほどではあるが、平均賃金2万円くらいのミャンマー人にとって、5000円の平均寄付額は、平均賃金の四分の1に値する。
(日本の初任給20万円と仮定して比較すれば、5万円を毎月の寄付に・・・)

ちなみに、日本の寄付ランキングは、111位。

未曾有のコロナ騒動の間、私はヤンゴンで過ごしていますが、何を一番感じたか、考えてみるとそれは、「ミャンマーの寄付文化」でした。

今ミャンマーで起こっていること

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今、ミャンマーでは、見ての通り?、経済は大悪化している。

外国人頼りのホテル、飲食業、娯楽、観光業界は今はもうほぼ利益も見込めていない。むしろ、高い家賃を払わなくてはならない、という二重苦に陥っている。

駐在外国人の帰国も多いため、駐在者向けのサービスも需要薄。

ショッピングモールもスーパーマーケット以外は休業。

サプライチェーンの工場も、依頼先からの受注がなくなれば、仕事がなくなり日雇い労働者は露頭に迷うこともある。
4月には、多くの日雇い労働者が失業したと聞いている。

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が、日本のように、国からの給付金はなく、ただレイオフされ、休業、StayHomeという措置になった。

唯一、政府から直接的な給付金は、「電気代8ドル分のみ、無料にする!」ということだけ。今は、無料期間が延びたそうです。

(他には、税金の締め切りを伸ばすとか。)

しかし、その政府からのたった8ドルサポートに、ミャンマーではすごく感謝の声が上がったそうです。その後、8ドルにさらにいくらか乗せて、寄付に回したり、8ドルの一部をさらに困っている人に寄付していたり、

政府からの施策の前に、市民が貧困向けの炊き出しを始めているそう。

さらに、

・隔離対象者に向けた市民による食事の提供(手料理をわざわざ作ってくれる人もいらっしゃるみたい)
・地元飲食店からの、ちょっとしたお菓子やドリンクの提供
・一部ホテルが隔離対象者へ食事提供
・各銀行、寄付の送金手続き

など、各社で行われているそうです。

各個人でも、オンライン送金したり、直接医療団体に渡したり、寄付の動きが本当に盛ん、、。

飲食店やホテルはそもそも人がいなくて売り上げも厳しいのは明らかですが、
さらに困っている人を助ける、という動きが出ています。


実は、寄付は「なんか違う」と思っていた

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そもそも、私自身寄付を行うタイプの人間ではありませんでした。笑

なんとなくですが、、、「寄付」をすることよりも、仕事を作ったり、雇ったり、何かの対価としてお金をあげたり、お金よりも、役割を与える、という方が真っ当だ、と思っていた。

寄付は、魚に餌を与えているだけで、人も、地域も、国も、成長させるものではないと考えていた。

もちろん、私も今でもそう思っていて、寄付や援助よりも大事なことがある、とは考えている。

だからきっと、後から対価を差し出す感じで、クラウドファンディングや、レディーフォーなど、
「入金」してくれたら、お礼として「後から商品を送ります」「後からセミナーなどサービスを提供します」

というスタイルが今流行っているのかな、と思うし、私も面白い企画・商品に関しては、縁もゆかりもない商品よりも、クラウドファンディングなどから購入するようになった。

応援者でもいたいし、何か社会に役にたつ人間にもなりたいな、と思い微力ながらいつも支援させてもらってたりもします。

ミャンマーで色々活動させてもらっているのも、実は最初はこんな私でも「出資する」と言って下さった方々もいらっしゃいました。

ただ何もしていないのに、出資してもらうのも、お金をいただくのも、とてもとても、抵抗がある。私も一応、ビジネスをちょっと学んでいる。

「ビジネスは価値を交換するもの。価値を提供したその対価をお金という形でいただくもの。」と考えていて、
何も価値提供していないのに、お金をもらうわけにはいかない。
私のポリシーに反する!と思っていました。

なので、ミャンマーの活動資金は、
「オンラインサミット」というセミナーを開催して、そのセミナー参加費を頂戴している。
それが、2019年冬に行った「World Beyondオンラインサミット」でした。

参加者は300人を超え、売り上げは100万ほど。ビジネスの資金調達にしては少ないかもしれないが、1年分の人件費、初期費用、雑費には十分すぎる額です。

(ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!!)

何かの活動資金を集めたい、と思っている若い方、
寄付金を活動資金のメインになっている方、
とてもとても多いと思う。否定はしないし、むしろお金が集まる人材・組織であることは間違いない。

ただやはり、今後経済不況、大不況になるかもしれない、というリスクを考えると、
寄付金って、正直のところ、自分でコントロールできない範囲なので、とても不安定要素でもあるはず。いつ打ち切られても文句は言えない立場にも転じてしまう。

ただ、自分のビジネスの対価として何かを提供できれば、それは寄付金以上に安定して、自分の努力次第で売り上げのコントロールは可能のはず。

賛否両論あるし、両方の組み合わせでやっていけるのが、良いのかなあと感じてます。

個人的には、コントロールできない範囲を持ち込みたくない、と思っているので、自分のビジネスオンリーで今後も収入も、資本も、集めたいと考えている。


隔離中の寄付

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4月の隔離期間、私自身も、ボランティア・地元企業からの寄付、で色んな恩恵を受けてました。

正直、隔離された当初は、まじで不安一色!仕事あることだけが、精神保てる救いでもありました。毎日集中力が切れる15時にはさらに不安に襲われる・・・そんな23日間。笑

それでも、5日に1回くらい提供されるタピオカジュース、クッキー、インスタントコーヒー、メッセージ付きお弁当、には本当に励まされた。

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タピオカも別に好物でもなければ、なくても隔離中生きていけることは確実。
どれも100円くらいではあるけれど、本当に本当に嬉しかった感情を今でも忘れられない。

食事の配給時間になると、部屋のドアを開けることが本当に楽しみだった。笑

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今、ローカル企業も、寄付をする動きが出ている。

私のミャンマーで2大お気に入りコーヒーショップも
医療従事者へのコーヒーの提供を行っていた。

お気に入りカフェその1@Origin coffee


お気に入りカフェその2@Easy Specialty Coffee

コーヒーなんて、不要不急だし、ミャンマーでは高価だしあまりローカルの人は飲まない。医療従事者に必要か?
と言えば、多分優先順位は最下位くらいだと思う。

でもやっぱり、私も隔離されてたから大共感できますが、
普段自分では買わない高価な(と言っても数百円ですが)ちょっとしたものや、メッセージ付きの不要不急なものをいただくと、とても嬉しいし、温かい気持ちになる。

上の2つのお店は、どちらも、ローカルの人はあまり行かない。コーヒー文化もあまり根付いてない。
でも、上2つのお店は、ミャンマー産のスペシャルティコーヒーだ。コーヒーマニアはわかるかもしれないが、Qグレードだ。

本当に美味しいし、ミャンマー人はあまり気づかないけど、ミャンマーの誇りの1つにコーヒーが入ってくると思う!

この機会に、2つのお店のコーヒーを飲んだミャンマー人が、ミャンマーのコーヒーに誇りを持ってくれたら密かに嬉しい。

Easy Coffeeさんに関しては、医療従事者へコーヒーの寄付をさせてくれる取り組みも行なっている。

私も近々、寄付金を渡しに行くつもりです。

他にも寄付・飲食の提供をしている企業は多いはず。私も隔離期間中、ホテル側が購入したのか?企業側からなのか?地元の人によるものなのか?経路は不明だが、色々恩恵をいただきました。

もし、コーヒーのドネーションをしたい人いたら、お知らせください^^
代理購入しますね。


私たちはすでに与えられている

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「寄付はなんか違う」と2年前までは思っていたものの、今では毎月定期で寄付をすることにしている。

ただ、私の寄付のポリシーは、「生産年齢には寄付しない!」だ。笑

寄付って、慈善で、崇高に見えたりもするけれど、
貢献したいから、困っている人がいるから、というよりも、今までの歴史上ですでに受け取っているものがあるからなんだと思ってる。

直近で言えば、マレーシアに移住後、勤めてる会社では
会社や社員の誰かが購入した教材や本のシェア、スマホのシェア、家のシェアは当たり前。

社長の不在時、私物であるはずの車を社員に貸してることは驚いた。車って、家族以外に貸すんだ、と。笑

マレーシア移住後からは、なんとなく、「所有」という呪縛から解放された気がする。家に本を置くよりも、会社に置いとけば誰かが読むし、

不要になったものも、誰かにあげれば部屋は落ち着く。

自分で持っていなくていいんだ、と思うようになって、おかげで引っ越しはスーツケース 3つあれば事足りるようになった。超楽チンに住居を転々とできて、マレーシア2年の滞在で3回の引っ越しができたのは私にとっては刺激的で楽しかった。

この時以来、シェアライフが当たり前になり、今ではルームメイトとなんでもシェアする暮らしになってる。

すでに、モノも、仕事も、喜びも、給料の対価以上に受け取っている、と感じていたのが、マレーシアで感じたこと。


そしてやっぱり、私たちが一番与えられているものは「歴史」なのではないかと思う。

「寄付をしないと」と駆り立てられるようになったのは、「歴史」の本を読んで、すでに色々自分に用意されて、与えられているものが多すぎる!と感じるようになったから。

facebookやnoteのようなSNS系のプラットフォームは無料で使えて、全国で繋がれることで、すでに恩恵を受けているし、SNS無料集客で、私もそれなりに稼がせていただいた。

さらに歴史遡れば、
聖徳太子が、憲法を作る前にもし暗殺されていれば、

今の日本のような「和」や「調和」の世界はなく、戦い・奪い合いの世の中のシナリオに進んでいたかもしれない。


第二次世界大戦で、日本が”戦争に勝つ”というシナリオを選んでいれば、
こうやって世界中を旅することもできなかっただろうし、そもそも飢えに苦しんでいる人生になっていたかもしれない。

そんなことを考えると、今ここにいることは、過去の歴史上の選択や恩恵をすでに享受している、と思わざるを得なくなった。

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歴史や会社だけでなくても、家族からの無償の愛、自然の恵み、すでに受け取ってるものが多く存在している、と認識ができた時、誰かにその恩や、恵み、お金、縁、を繋げていけるのかなあと思う。

与えられた物やお金は、時限爆弾のように、自分の元においていれば、いつか腐るか爆発するんじゃないかな、と。

ミャンマーで強く印象的だった、たった8ドルの電気料金無料を、さらに寄付に回すミャンマー人の行動は、

「すでに与えられた」

という認識があるから起こせるアクションだったのかもしれないなあと思います。

給付金もっとちょうだい、10万じゃ足りない!くれくれくれくれ!!!

というようなツイートや発言を見ているととても悲しくなる。

これまでの歴史、両親の無償の愛、自然の恵み、会社からの恩恵、ご縁、SNSなどプラットフォーム、すでに、無償で受け取っているものがある、という認識をしてから、自分に溢れたものを周りに流していく、という循環の流れが生まれると思います。

色々意見のある分野かと思いますが、本当に驚いたミャンマーの寄付文化。

今余裕がない人は、自分を守る。
余裕がちょっとでもある人は、守れる人を守っていく、応援する。
余裕ありすぎる人は、もっと守れる人を増やす、応援する。

そんな循環回したいですね。

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ミャンマーの寄付文化、世界中でその精神が広まったら良いなあ^^

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