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非常時に広報・PRはどう動くか?#PRLT で話したこと

先の見通しが立たず、どんどん状況が変わるなかで、自分たちにはどんなことができるのか?取り組んでいることをどうマスメディアや関係者に伝えていくのか?

近しい悩みを抱えている広報・PRが集まった「今だからこその広報対応を考える広報LT大会」に登壇しました。もちろん全員在宅からのオンライン開催です。

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当日の話は、完全オフレコで実施されました。ただ、わたしのパートはすでに社外へ公開している話がほとんどだったので、このnoteでも公開してみます。

この状況下、どんな方針で動けばよいのだろう?
noteが取り組んでいることの狙いはなに?
withコロナの時代にどう広報・PRは立ち回るべき?気をつけることは?
オンラインのメディア対応って大変では?

みたいなところが気になっている方は、参考になるかもしれません。いや、参考になるようにがんばります。

では、ここからは、イベント当日の様子を振り返りながら、お届けします。

まずはPRLT代表、はるかさんの仕切りと乾杯でスタート!

登壇者それぞれから自己紹介と、この数ヶ月取り組んできたことを紹介しました。この記事では、わたしのパートで話したことを、ほぼそのまま記しています。

noteの紹介

noteは単なるブログサービスではなく、あらゆるクリエイターが自分のメディアを持って本拠地にできる「メディアプラットフォーム」です。一般の方が自分の作品を発表するCGMサービスでもあり、フォローし合うようなSNSっぽい側面もあります。

「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに、創作活動が続けやすい環境整備を一生懸命やっている会社です。

ほかにもcakesというプロの作家やマンガ家の作品を定期購読スタイルで読めるメディアも運営しています。

noteはいま毎月4400万人以上の方が利用して、720万件以上の記事が投稿されている大きなサービスに成長しました。当社の新型コロナ流行への対応のスタンスも、情報を扱う「社会のインフラ」としての責任を果たそうという考えをベースに行なっています。

新型コロナ流行へのnoteの対応(時系列)

1. ユーザーが信頼できる情報にたどりつくための対策

最初は1月下旬。noteにも正誤不明な噂や医療情報を流す記事が多少出てきたたため、対策を講じることになりました。

具体的には「新型コロナ」などで記事を検索した際に「新型コロナウイルス関連肺炎について、大げさな情報や不正確な情報がネット上に増えています。必ず1次情報として公的機関のサイトのチェックをおすすめします」といったアナウンスを流しました。

いまはさらに一歩進んで、個別の記事1つ1つにも注意書きが出るように対応しています。

2:知見を社会に還元する取り組み

国内でも亡くなった方が出てきて、企業の在宅勤務推奨が発表されるようになった2月中旬には「#リモートオフィス」というお題企画をはじめました。

お題企画とは、特定のテーマにそった記事の投稿を呼びかけて、ハッシュタグに集まった記事を一覧して見られるようにするもの。在宅勤務に不慣れな方やはじめて取り組む企業もあるので、経験者からのアドバイスや体験記がほかの方の参考になるのではないかと考えてスタートしました。

このときは日経COMEMO、ハフポスト日本版、Business Insider Japanにもお声がけをして、すぐに協力いただけることになりました(このご判断も速くて感激!)。あつまった記事をもとに取材してもらったり、転載をしてもらっています。

情報をnoteだけに留めるのではなく、みんなで社会を良くするために共有していこうというスタンスがよく表れた事例です。

その後も情勢をみながら、飲食店やホテルやイベントを応援するような「#私のイチオシ」、NHKとコラボした「#私の卒業式」、卒展が中止になった美大生の作品を展示する「#わたしの卒業制作」、お家時間を楽しむアイデアを募集する「#おうち時間を工夫で楽しく」、など、ぜんぶで7つのお題企画が進行中です。

あと!noteの記事をネタ元に探してくれているメディアの方も多いので、自社の取り組みをとにかく記事に残しておくのは、超おすすめです!!!(いまは #オープン社内報 というお題もやってます)

3:イベントのネット配信を強化

厚労省が大型イベントの自粛を求めた2月下旬からは、noteも連日開催していたイベントをすべてオンラインに切り替えて、配信を始めました。

この頃は、まだ完全オンラインでのイベント開催が手探りの時期でした。「こんな風にやるといいよ」とnoteが率先して、よいやり方を提示していこう!クリエイターとファンとの交流の場が絶えることのないようにしよう。と早々にいろんなパターンのイベントを実施しました。

ほかにも就職活動の大型イベントも中止になっていたため、noteを利用している企業を中心に呼びかけて、合同説明会イベントも3月頭に開催。当日だけで3万回以上再生されるなど、おおきな反響を頂きました。

4:文化活動の支援策を強化

3月下旬の都知事による外出自粛要請で、さらに創作活動への制限が強まった時期。noteでは、ファンからの応援の受け方を紹介するマニュアルを整備したり、勉強会を開催したりと「文化活動支援策」を発表しました。

4月10日には文化活動支援をさらに一歩踏み込んで、「オンラインイベントおうえん制度」を発表しています。

第一弾は当日の夜に「渋谷らくご」の開催をサポートして、通常180名の会場で実施されているイベントをオンラインで320名ほどが視聴しています。もちろん有料の開催です。

▼オンラインイベントおうえん制度が紹介されました(日経クロストレンド)


5:メディア対応もすべてオンライン

4月7日の緊急事態宣言が発令された日は、じつはnoteの6周年とおなじ日でした。直前の4月6日に記者説明会を開催しましたが、急きょ前日に「出演者もスタッフも全員が自宅からの配信に切り替え」を決めて、なんとか問題なく遂行することができました。

※もともとは記者はオンライン参加、登壇者の加藤さん深津さん、スタッフのPRチームは会社に集まって配信を実施する予定でした。

それまでにたくさんのオンラインイベント開催で溜まった知見を、存分に活かせていたと思います(もちろん、反省点もたくさんあるのですが)。まだまだwithコロナの時代は続いていきそうなので、今のうちに不慣れでも挑戦して経験値を貯めておくことがおすすめです。

あとは1視聴者としても、オンラインイベントを見まくること。わたしは1日にかなりの数をはしごしています(笑)。

▼記者説明会の様子を紹介いただいた記事(CreztorZine)

ちなみに、オンラインイベントの難しさもありましたが、良さも実感しています。たとえば、ほとんどの社員がリアルタイムで自宅から視聴してくれました。また、一部編集をした上で、ユーザー向けにも動画を公開しています。

メディアとの情報交換の場が、インナーにもユーザーコミュニケーションにも活かすことができました。会場で開催する形式の従来型の記者説明会では発想できていなかったことも、前提が変わることで実現できるものです。

途中のお題にあった「オンライン取材の工夫」。わたしは取材対応中に、バーチャル背景を自社のミッション・バリューの写真に変えて、話者が話しているときに取材者に見てもらったりしていました。画面共有も随時できるし、事前に断っておけば録画して社内共有もできる。かなり良いのでは?

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広報・PRはどんな役割を担っているの?

プレスリリースを作成して、メディアに伝達して、だけではありませんでした。状況の変化から突発的にでるアイデアを、なんとか実現まで持っていこうと四苦八苦しながら奮闘していました。

そして、それはこれからも続いていくと思います。

上でご紹介した取り組みの発案者は、バラバラです。たとえば美大出身のデザイナーが母校の先生から相談をうけたことではじまったお題企画もあります。

noteではバリューに沿って、臨機応変にそのときできることをスピード感を持って、すべての社員がリーダーシップをもって取り組んできています。

自分たちがなぜその取組みをやるのか?
誰のためにやるのか?

PRが特にやるべきことがあるとすると、だれもが理解できるように翻訳して社内外へ発信して、浸透させていくハブの役割を担っていく必要があるのではないでしょうか。

まとめ

noteはミッション・バリューが明確で、かつ社員に浸透している会社です。だからこそ、不確実性の高い状況でもみんなが迷いなく、生き生きと働ける。勇気づけられることを実感しています。

経営陣からも逐一、いまやっている施策の背景が社員みんなに説明されました。オンラインで毎週開催している全社集会、slack、noteの記事…ツールはさまざまですが「メッセージを発信する」「発信し続ける」重要性を感じます。

たとえば「ゴールデンウィーク12連休?明後日から休みになっちゃうの?どうなるの?」みたいなことでも、迅速に意思決定と告知がなされます。

noteが支援している「創作」自体は、不要不急かもしれません。それでも、生活のほとんどは不要不急なものから喜びを得ている。そうみんなが実感している日々ではないでしょうか。

「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げているnoteですが、いまはわたしたちがずっと支援してきたクリエイターのみなさんが苦境に立たされています。

自粛期間で創作の芽が摘み取られてしまうことがないように、継続できるヒントを提示できるように。今後もやるべきことを、適切なタイミングで実施していきます。

※昨日はこんな記事を出しました。



イベントに参加いただいたみなさん、ありがとうございました!!

たくさんの感想もうれしいです。


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