みつけるラーニング
はじめに
みつけるの参加者は、小学校の高学年以上を想定しています。森林について関心があり、知りたいと思う人を対象としているので、歴史や現状の課題など、踏み込んだ内容としました。なにか行動を起こす必要があるんだな、と思ってもらえるよう、課題についてしっかりと伝えたいです。地域性(歴史や植生の特徴)の情報を加えるとよいでしょう。
江戸~戦後の森林の歴史
森林の現状と課題
森林の現状と課題
江戸~戦後の森林の歴史
江戸時代の浮世絵を見ると、山には数本のマツが生えてるように見えますこれはデフォルメではなく、本当に日本ははげ山で、マツは丈夫な木で重宝されていた考えられています。山の土砂が川に流れるため今よりも海岸には砂が多く、砂害がひどかったようです。
明治時代に入ると、国土緑化が推進され森林率が増えていきました。しかし、昭和初期に軍需物資のために大量に伐採されてしまいます。
戦後、建築用木材として経済的価値が高い針葉樹を植林する「拡大造林政策」がとられました。木を植えることで国から補助金が支給されるため、盛んに植樹がされ、現代に至ります。現在の私たちは近代で最も森林が豊かな日本に暮らしているのです。
森林の現状と課題
植えた木は全て木材として価値のある木に成長するとは限らず、鹿に食べられたり、上手く育たないことがあります。そこで、植樹の際には多くの木を植え、後から間伐をすることが一般的です。しかし、関税の自由化や安価な輸入材やプラスチックなどの代替材による林業の産業規模の縮小に加え、少子高齢化により林業従事者の数も右肩下がりです。
無理な拡大造林計画で、急斜面や材の搬出搬出の効率が悪い場所にも所狭しと人工林が密集していることもあり、採算が合わないため森林の管理を断念し、放置される放置林が増えているのです。放置林では、面積に対して樹齢の多い木が多すぎ、木の高齢化が進んでいるのです。
このような森は、背の高い針葉樹が上空で枝を広げ、森の中が暗くなります。このような森は材としての価値が低いのみならず、根がはってないため地盤が弱く土砂災害などが発生しやすかったり、若い植物が育たないため生物多様性が低かったりします。人が手を加えてしまった森は、適切な間伐が必要なのです。
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