[いただきました] 八木信一・関耕平『地域から考える環境と経済――アクティブな環境経済学入門』(有斐閣、2019年)

八木信一・関耕平『地域から考える環境と経済――アクティブな環境経済学入門』(有斐閣、2019年)をいただきました。ありがとうございました。
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ぱっとみた想定の印象からもわかるように、本書は意欲のある人ならば、高校生でも読み通すことができるようにつくられている環境経済学の入門書です。

著者の八木信一さんは資源の再利用や再生可能エネルギーの専門家。関耕平さんは地方財政や地域経済・産業の専門家です。お二人の専門からも想像できるように、本書は地域の実情に即して環境問題を考えられるつくりになっています。

本書の構成は以下のとおり。

序 章 地域から考えるために──現場からの見取り図
第1章 環境と経済をつかむ──「価格のつかない価値物」のとらえ方
第2章 公害という原点──被害から始まる環境問題
第3章 廃棄物はどこへ向かうのか──大量廃棄社会から循環型社会へ
第4章 農が育む環境──農村を持続可能にすること
第5章 みんなの資源を守れるのか──あなたの身近なコモンズ
第6章 エネルギー自治を求めて──地域でつくる再生可能エネルギー
第7章 まちづくりとアメニティ──景観を守ること・創ること
第8章 グローバルとローカルをつなぐ──地域からの持続可能な発展
第9章 インフラを造り替える──未来への投資
第10章 ガバメントからガバナンスへ──みんなでアクション

みられるように、環境問題だけでなく、地方自治、住民主体の地域のガバナンスという視点が濃厚に織り込まれています。資源の循環や農業、エネルギー、景観問題にも目配りできるという点で類書にない特徴をもっています。地方自治体の職員や行政・自治に関心のある市民も必携の作品といえるでしょう。この本で学習会などを開催してもよいと思います。


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