ここが辛いよSIerシリーズ スキル編
シリーズ第2弾です。
今回はSIerが身に着けるスキルについてです。
SIerをしている人たちはいったいどのようなスキルを得て、スキルアップをしていくのでしょうか。
その持論を述べていきたいと思います。
※私がインフラエンジニアということもあり、内容はあくまでインフラ系によります。
やりたいことはできない
誤解を恐れずに言います。
あなたがやりたいと思っていることは、SIerではできません。
これはどういうことかというと、まずはSIerの構造から理解する必要があります。
SIerというものの構造は基本的にピラミッド型になっています。
まず大手ベンダー(NTT、IIJ、NEC、富士通、CTCなど)がお客さんから仕事を受注して、そこから別のSIerにそれぞれ切り出したり、メンバーを集めてチーム構成したり、さらにその受注したSIerが別のSIerに仕事を依頼したり・・・
と、いわゆるゼネコンのような1次受け、2次受けといった構造になっています。
そうなると、大手ベンダー以外のSIerについては基本的には取引のある大手ベンダーや中堅SIerから仕事もらうしかないのです。
もちろん引き合いの中から、自社メンバーのスキルセットや金額感など選ぶ余地はあるのですが、基本的には案件が降ってくると思って間違い無いです。
なので、「こういうものが作りたい」「こういう技術を使いたい」と言っても、結局は案件による、としか言えません。
当然待っていたり営業力で仕事を取る場面もあるかもしれませんが、最悪一生やりたいことをできる機会が無いかもしれません。
これがいわゆる「案件ガチャ」というやつです。
全然やりたく無い案件にハマってしまうと、半年もしくは数年は全然やりたくもない案件をやらされることもあります。
どうやってスキルを身に着けるのか
基本的にスキルは自分自身で身につけていくしか無いです。
研修があるところもあるのですが、研修は所詮研修で実践経験がないと実務では使えないことが多いです。
先ほど述べたように、SIerは案件ガチャなのでやりたくない案件だったり、技術要素だったり、フェーズをやらされることもあります。
そうなると本当に自分の身にならないことばかりで時間を無駄に浪費する可能性が高いです。
もし身につけたい明確なスキルがあるのであれば、自分の時間である程度仕事を受けられるレベルにする必要があります。
そのために手っ取り早いのが資格取得です。資格は別記事でも書きましたが、その分野の入門的な部分が体系的に網羅されている、かつ対外的に見てこのレベルの知識を有しているというのが相手に伝わりやすいです。
もちろん、仕事の基本は「目の前の仕事のプロになること」だと思っていますので、そのマインドを持っていればどんな仕事であろうと身につくスキルはあります。
ドキュメントスキルが上がる
これはSIerをやっている人はほとんどの人がそうだと思います。
エクセル、ワードなどはほとんどのSIerが使っていて、設計書やマニュアルなどのドキュメントは大体これらを使っていると思います。
そうなると、色々な小技を身に付けることができます。
先輩の中に一人くらいはWindowsの小技についてめちゃ詳しい人がいるかと思いますので、そういう人に色々教わることをお勧めします。
ショートカットをたくさん知っているだけでも、作業効率化だけでなく、仕事ができる人に見られやすいのでかなりメリットあると思います。
マネジメント経験を得られる
これは人にもよるのですが、SIerで受ける仕事の多くはチーム制をとっており、PM、特にPLが何人もいます。
結構社会人3年目からでもPL経験がある人や、PM経験をする人が多い印象があります。
これはSIer業界特有な気もしますが、割と早くにそのようなマネジメント経験を積めるのは大きいと思います。
リーダーシップ論については別記事でも書きたいと思いますが、リーダーは決断を迫られる場面が多くあります。
その決断を下すためにどうすればいいのかを真剣に考えるようになるので、今まで以上に当事者意識で仕事をするようになります。
そうすると、仕事の全体像が見えてきて、自分の仕事だけでなく全体を俯瞰する力が身につきます。
そうすると、冷静な判断力ができるようになったり、チームの状況が見えてきて問題になる前の早めの対処ができるようになったりできるようになります。
こういうマネジメント経験を積みやすい、というのもSIerの特徴ではないかと思います。
最後に
SIerで10年近く仕事をしてきたのですが、目の前の仕事がやりたい事や楽しい事であるうちはいいのですが、そうでなくなった時に一気にモチベーションが下がってしまいます。
私自身が常にやりたい事や楽しいと思える仕事をしたい、という人間だからかもしれませんが、SIerという働き方では自分のキャリアを実現していくことは難しいと感じました。
なので私は別の道を歩み、自分のなりたい自分に近づくようにキャリアを積んでいきたいと思います。
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