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バーの話

お酒を飲まないので、あまりバーには行ったことがありません。連れて行ってもらったのはほんの数回。
何を頂いたのかもほとんど覚えていません。
でも、なんとなく気になる存在です。

昔、先輩にあるバーに連れて行ってもらいました。
まだ20代前半の頃。
バーに行くのは初めてだったと思います。

下町感溢れる商店街の壁に、ドアが。
特に看板なく、ただドアがあるのみ。
そのドアを開け中に入ってみると、赤い妖艶な光の中にアンティークな椅子、ソファやテーブルがあって、紳士淑女の皆さんがお酒を楽しんでいる様子。

赤い光の中で赤い薔薇の花が一輪挿しに。
音楽がどこが遠くに誘うような甘いような苦いようなジャス?これジャズ。JAZZ。
奥に見える紳士の高価そうなスーツとタバコ(葉巻?)が赤い光の中で小さくゆらゆら目に入り、遠くで品のある笑い声が、トランペットやベースの音に重なって聞こえる。花柄のワンピースの女の人がグラスを持つ姿が赤い空間の中でぼんやり現れては消え、壁の絵画が大きく迫ってきては元に戻っていく…私は今どこにいるんだと何度も思ったり(バーだよ)。

奥のテーブルに案内され、赤い光の中に自分の身も包まれた訳ですが、つい先ほどまであの下町のボロい(失礼)商店街にいたのかが信じられない、どこか突然異世界にやってきたようでした。

バーって、なんというかそういう不思議な別世界な感じ、その初めて行ったバーの記憶もあって、妖艶な、怪しいイメージが私にはありますが、みなさんはどうでしょうか?
(怪しいイメージを支えているのは「笑うせぇるすまん」の影響かもしれません。ドーーン!!)

先程の壁のドアのバー。
当然帰るときもそのドアの元来た方へ出たわけですが、ドアを閉じた瞬間に「さっきのはほんまやったんかなぁ」と、下町感溢れた商店街を目の当たりにして、今度は赤い光の別世界にいたことが信じられない気持ちでした。

イラストは犬がマスターのバー。
猫女から一杯頂戴したりして。
商店街の壁のドアを開けたら、そんな光景が…
あったらいいな。あったりして。

#イラスト #絵 #犬 #猫 #バー #エッセイ #妄想 #日常  

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