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忘れてしまったデザイン

アイデアがなくなる

私の本業はWEBデザイナー、しかしここ数週間、普段の仕事でデザインを扱わないことが多くなっていた。がっつりコーディングをしたり新しサービスを考えたり運用データを解析したりと、仕事内容が多岐にわたりすぎてほとんどデザインに触れていなかったのだ。コーディングもデータも、数字とロジックばかりの世界だったから、左脳ばかり使っていたのだと思う。

そして今日、久々にがっつりデザイン案件に携わってみたのだけれど、そこにはびっくりするくらいデザインが下手になった自分がいた。最善のアイデアがまるで出てこない。デザイナーとして約3年やってきた中で初めての経験だ。

忘れたのは思考する習慣

よく「デザインの引き出しを増やせ」というアドバイスを受ける。引き出しが多ければ多いほど様々なパターンから最適なデザインを導き出せるから。3年も続けていたらそれなりに引き出しも増えているはず、そう思ったのもつかの間、いざデザインしようと思うと何も出てこないのだ。本当にびっくりするほど、頭の中の引き出しをどこかに置いてきてしまったかのように。こんな空っぽになるものかと悲しさがわいてきた。

「1日練習さぼったら、それを取り戻すのに3日かかるのよ」

子供の頃ピアノを習っていた時に言われた言葉を思い出した。それだけ指先が敏感なんだろうなぁと当時は思っていたけれど、今の自分はまったく違う意味で受け取れる。たった1日で忘れてしまうのは鍵盤を弾く指先の感覚ではなくて、ひとつひとつの指をどうやって動かすかを考える思考自体なのだと。

つまりこの数週間で私の中からなくなったのはデザインの引き出しではなくて、それをどうやって頭の外に出してあげるか、と思考する習慣。

忘れる、は悲しい

学んだことのある何かを忘れてしまうと、今までの自分がどこかへ行ってしまうようでやはり悲しい。とはいえ頭のどこかにはきっと残っているのだ。この悲しさは胸に秘めて、また思考する習慣をつけよう。

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