デジタルのハーバード大と言われるHyper Islandでマスター(修士)を取るまでのお話13

2つ目の必修科目「デジタルテクノロジー」は、モジュールリーダーとして創業者のジョナサンが指揮を取る、デジタル人材を多く排出するHyper Islandにとって最も魅力的な単元のひとつです。
前回のデザイン思考を踏襲し、デジタル世界を探索し、チームによるプロジェクトワークによってクライアントへソリューションを提案します。

コードのひとつも書けない私にとって、このモジュールはとても緊張するものでした。チームの足を引っ張るのではないかと、キャンパスへ行く前はドキドキして眠れなかったのを覚えています。
おそるおそるキャンパスへ行ってみると、現れたクライアントはシンガポール国立美術館でした。どこぞのテック系企業がやってくると思いこんでいたので、美術館がクライアントと分かったときにはテンションぶち上がりました。これならなんとかなるかもしれない!!って。

私たちのチームはシンガポール国立美術館のために、テクノロジーを使って来場者の鑑賞体験をサポートするアプリを開発することにしました。必要な機能の洗い出し、データ収集の方法などをみんなで議論したあと、自分の得意分野でチームに貢献したくて、ホテルに戻ってからアプリのプロトタイプUIをXDで作ったなぁ。徹夜で。
普段、仕事が終わって帰宅すると家事と子育て をして眠る生活になってしまった私には、こんなふうに家族と離れて、思いっきり一人で作業に没頭できることも、実は喜びだったりしました。

最終日、キャンパスから国立美術館へ移動しプレゼン準備をしました。私の作ったXDのプロトタイプは、メンバーの提案で、遷移や動作を収録したものをはめるのではなく、keynoteに入れ込んで動かせるようにしました。これは本当に大正解。ストーリーを途切れさせないプレゼンとなり、見栄えがグッと良くなりました。他のチームも美術館内で実際にデータ収集するなど様々に取り組んでいて、他チームのプレゼンを見るのもすごく楽しみでした。

また、4日間のチームによるクライアントへの課題解決の合間に、たくさんの個人ワークやペアになって行うアクティビティが課せられ、様々なテクノロジーに体当たりしていく体験をしたり、全体での議論やリサーチによって小売業界にテクノロジーが与えた影響などを理解しました。

センサーやAIを扱うTECH-A-THON(テッカソン。ハッカソンやアイデアソンのように、制限時間内に特定のテックを使用したプロトを作る競争)やgoogle analyticsの使い方、APIやデータスクレーピングなど、これまで敬遠していたような部分や、触ったことはあったけどちゃんと理解できてなかった事を自ら手を動かして理解する経験は、とても貴重なものだったと思います。そして、ノンコードやローコードでデータをどうにかできちゃうツールやアプリケーションが世の中にあふれているおかげで、私はこのモジュールを完遂してもコードを書けるようになっていません!!笑
しかし、目の前にある問題や課題に対し、どのようなアプローチを取ることができるかをプロトタイピングで表現したり、戦略における知識を拡張できたこと、それこそが大きな学びでした。

※写真はプレゼン後、シンガポール国立美術館での打ち上げの様子。遠くにマリーナベイサンズが見える。

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