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洗濯機の死亡事故を防ぐ、あざやかな逆転の発想【ライターの子育てエッセイ#4】

0歳児のうちは、寝返りでうつ伏せ状態になってしまい窒息死したり、ベッドから落ちるだけで死んでしまったり、風呂で数秒間目を離したスキに溺死したりと、生活のいたるところに死の危険がある。

ふとんや服、ぬいぐるみ、よだれかけで窒息することもあるし、ベッドと壁の隙間に落ちたり、飲んだミルクを吐いて窒息することも。

ステータスが激弱で、ちょっとごはんをくれない相手にあたったら大変なことだし、赤ちゃんサイドとしては、生まれてくる環境を選べないうえに、リトライがない死にゲーといっても過言ではないほど、なかなかの難易度だと思う。

親がまず目指すべきポイントは、

①首がすわる3か月頃

②自力で寝返りやおすわりができる6か月頃(動けるようになることで、逆にベッドからの転落の危険性は高まる)

③ちょっとくらいなにかにぶつかっても、死の危険性が減る程度には頑丈になる1歳頃(あくまで個人の感想)

だろうか。

②や③を迎えたころには、かなり安心した記憶がある。首がすわらないうちは、ちょっと抱き上げ方を誤ったり、6か月頃からは自分、妻と同じベッドで寝ていたので、寝相がめちゃくちゃ悪い自分が、寝ている間に間違って踏んで死なせてしまわないか、ずいぶんと不安だった気がする。

●おそるべし洗濯機の死亡事故

そして2歳となった現在、いたるところに自力で移動できてしまうため、気をつけるべきポイントが激増。

特に気をつけたいポイントのひとつとして、洗濯機内の閉じ込めによる死亡事故があります。

検索エンジンで「洗濯機 死亡事故」と調べると、2015年に東京都で起こった、ドラム式洗濯乾燥機による7歳児の窒息死に関する記事がたくさんヒットする。

洗濯機に入り込んでしまい、外側からロックがかかった結果、窒息死に結びついてしまったという。

2018年にも同様のケースが発生しており、こちらの犠牲者は5歳。

こういった事故を防ぐために、各メーカーがチャイルドロックの機能をつけたり、2015年の事件以後には、内側からも子どもの力でも開けられるように、設計を変更したりと、いろんな工夫をしているよう。

ネットでは、いろんな工夫をかn記事がたくさん上がっていて、消費者庁の「子どもの事故防止ハンドブック」では、3つの防止策を推奨。

・未使用時でも、ドアは必ず閉める
・ドアが開かないようにする「チャイルドロック機能」を利用
・チャイルドロック機能がない洗濯機では、ドアにゴムバンドをかける

まあ要するに、外側から開けられないように頑丈にカギをかけることで、そもそも入らないようにしよう、という話なのですが、ゴムバンド、毎回つけるのって、けっこうめんどくさいし、かけ忘れることもあると思うんです。

はっきりいって、自分をあんまり信用していないので、ゴムバンドを一度もつけわすれないとは、とうてい思えない。

と思っていた矢先に、息子が回っている洗濯機の前で中を覗き込みながら、「ぐるぐる〜」と楽しそうだったので、これは中に入りたくなるのは時間の問題だと考えるようになり。

ということで、なんかいい方法ないかな〜とググっていたところ、ありました。この記事、めっちゃすばらしいんです。

●ヒューマンエラーをも回避する逆転の発想

多くの場合が、カギを頑丈にするという発想で、南京錠をつけるという記事を複数見かけたほどなんですが、この記事では、逆転の発想があったんです。

それは、仮に中に入ってしまったとしても、フタが閉まらないようにする、ということ。

どういうことかというと、ゴムバンドをつけるところまでは同じだけど、そのゴムバンドのカギの部分が、フタと洗濯機本体の間にぶら下がるようにして、バンドが邪魔をして、フタが閉まらない状態にするというしかけです。

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上の写真は、一見すると、ふつうにバンドで固定しているだけですが、ふたのほうのシールはつけておらず、ぶらんぶらんと、垂れ下がっている状態。

重力によってバンドは垂れ下がっているので、はさみ忘れるということもない。ヒューマンエラーを回避できる仕組みです。洗濯機を使うときにだけ、外側から手でバンドをどかして、回せばいい。

洗濯機を使わないときは、

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この写真のように、フタと本体の間にバンドを挟んで、

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フタが完全に閉まらないようになる。フタが閉まらないと、洗濯機は作動しない仕組みなので、とりあえずは安心です。

子どもが仮に中に入ってしまっても、このバンドを外して、ドアを閉めるのは、2歳児には不可能なはず。また大きくなったら別の作戦が必要かもしれないけど、しばらくはこれで事こと足りそう。

クオリティの高いミステリ小説を読んだときのような、ゲーム「逆転裁判」をプレイしているときのような、切れ味の鋭い逆転の発想。

この記事を読んだあとは、しばらく余韻のせいでぼーっとしてしまったし、その日のうちに、ゴムバンドを100円均一の店に買いに行って、すぐにこの写真のようにセットをした次第です。

(終わり)

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●ライターの子育てエッセイ「そして、父になりつつある」について


30歳まで実家ぐらしで、家事能力はゼロの穀潰し。結婚や子どもを持つことなど考えもしなかった零細フリーライターが、覚悟も持てないうちから結婚し、子育てすることになったため、メモをもとに日々の暮らで思ったことをエッセイとしてつづる、零細ライターの育児日記「そして、父になりつつある」。

・家事の分担で気づいたジェンダーの問題
・夫婦間の価値観の違い
・子育てを通して思い出す親からうけた教育のあれこれ
・子どもがゼロからなにかを学んでいく興味深い姿勢
・そのかわいいエピソード

などがメインの予定です。

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