紫りえ♪
初めましての方はこちらから。よく読まれた作品やコンテスト入賞作品、おすすめや投稿ピックアップに選ばれたものを集めています。いくつか改稿してノベルデイズへも転載しています。
大好きな北海道の風景とそれにまつわるエッセイやポエム集📝少しづつ北海道179市町村各地の風景で詩を書きたい
「非凡でなくてもいい、きみとなら何かが話せそうさ」がモットー。私事を気ままに綴ります。
小児科ナース歴16年、シングル子育て。娘が成長した今、夢中に過ごした子育ての日々を振り返ったり、出会ったママ達との会話から気になったことなどを書き留めています。
千里さんの各地でのライブレポートを集めています。 これを読んで心参加するもよし。書いて共有するもよし。一緒に楽しみましょう☺️
あっという間にひと月が終わってしまう。 空へと伸びる枝先に新芽が、道端や庭先に花が、歩いていると目につくようになってきた。 我が家の朝晩は、まだ暖房オンである。 それでも記録的なまでに積み上げられていた大雪は、上がる気温に追い立てられるようになくなって、芽吹きが顔を出し、風景に彩りを増やしてすっかり春だ。 先月職場を去った彼女から、郵送で菓子折りが届いた。理由を知らないスタッフも多いから、添えられた手紙は簡潔な挨拶のみだった。ただ、差出人の住所が「あの町」のものだったから
人はどれだけのこころを隠して生活しているのだろう。 あの日、そんなことを考えながら、ネットで紅茶を検索していた。四年前に私自身が前職場を退職したときに頂いた紅茶と同じものを。 ティーバッグが入っている小袋の中に、一緒に乾燥した輪切りのレモンが入っていて、カップにそれらを入れてお湯を注げば本格的なレモンティーが出来上がる紅茶。初めて見たときに感動し、淹れて美味しくてまた感動した。退職後に私は、それを選んでくれた後輩と一緒に過ごした時間や会話、そしてセンスの良さを思い出したり
細かな雪が 音もなく降っている 正直 今年はもう見たくない それでも雪は 外の気配に静けさを纏わせながら ぺたりと冬を置いていく 夜の帳。静かだな、と唐突に気付いてキーボードを打つ手を止めた。 雪だけのせいではない気配が漂い、夜を包んでいる。 冬の二重奏とも言える加湿器の音とストーブの低いノイズが、いつも以上に室内に響きわたり、妙に平和な静けさが室内に満ちていた。 なんだろう。 隣の部屋にいた私は、リビングの様子を伺いに立ちあがる。 テレビはいつの間にか消えていて、ソフ
どうしたのだろう。 初見の光景に、一瞬何が起こったのか分からなかった。 早いもので『既視感』より季節は一巡し、また冬である。あの自販機案件である。 今までは、存在自体があるかないかという案件だったミルクティー問題。いつも多種多様に何本も並ぶコーヒー軍団にセンターはもちろん上下段まで占領されながらも、その片隅にひっそりと一本佇むミルクティー。 そろそろホット導入の時期。いつメンバーチェンジが行われ、 いつまた『はて、紅茶はどこへ』と衝撃がはしるか分からない危機感。 大丈
私に大きな影響を与え続ける千里さんへの感謝をこめて。パス付き保存していたplaylog時代の記事が現在見られなくなったので「千曲と私」のカテゴリーを加筆修正して移動したものも含まれます。
シングル子育てがひと段落。向こうの山頂をめざして出発! 娘たちが自立したあとのシングルライフについて、その時々で感じたエッセイを束ねていきます。
旅にまつわるお話あれこれ書いたものを集めています。
降っては積もり 積もっては除けて 今日も街は氷点下 小路は新年の静寂 足音だけが響く 雪を鳴かせて きゅ、きゅ、きゅ、きゅ、 凍れる朝こそ 高く切ない音が天空へと その鳴き雪が聞きたくて また 踏む 歩いていく 足もとから発せられた雪の音は ひっそり雪へとまた吸い込まれ その瞬間が 連なり重なり陽だまりをつくる きゅ、きゅ、きゅ、きゅ、 鳴く音が 心を揺らし 音を吸い 言の葉を包む 耳を澄ませ 感覚を研いで 舞い落つ詞は雪のように こっそりと積もらせなが
一年が終わるときに響く除夜の鐘。 幼いころ、元日にニュース映像で流れるその音を、どうしても大晦日の夜に聞きたかった。年を越す瞬間を確かめたかった。年越しイコール除夜の鐘というイメージが植え付けられていて、だから確かめるには除夜の鐘を聞かなければと思っていた。大人たちは大晦日には必ず起きていて、きっと何かが、分からないけれど何か特別なことがあるのだと信じていた。 時代は昭和である。 レコード大賞からの歌合戦、ゆく年くる年という流れのなかで私は育った。そして道産子なのである。そ
親の所用で休みをいただいた。もろもろの手続きのために街から街へと移動する一日。 早朝に郊外へ向かって運転をしていると、隣町に入ったころから尋常ではない濃霧が辺りを包んでいた。視界不良で緊張感が高まる。ハンドルを握っている手に気付くと余計な力が入っていて、その度に必要以上に握りしめてしまっている手の緊張を解く。何度か同じことを繰り返して、ふと客観的になり可笑しくなる。時間に余裕のない自分と重なり、思わず「リラックス」とつぶやいていた。 徐々に霧が晴れてくる。地上から水蒸気が
さわさわそよぐ秋桜の後ろ姿 温いよりも凛とした冷や風が ときには心地よさとなる たとえ思い通りいかなくても こころの行方を愉しみながら 広い宙へと身を浮かべ 現を漂い 時を積み そしてまた言の葉を探す 散らばってゆく雲たちが 夕闇に溶け込むその前に 「書く」作業の中で作詞をしていることが増えました。 作詩ではなく作詞・歌詞です。 文章はどこまでもとめどもなく書いて長くなってしまうタイプなのですが、今はそれを封印して、限られた短い枠の中に起承
ぬるい風は駆け抜けず 肌に纏わりつきながら 体温を上げ倦怠を残す 騒がしすぎる世情の中にも 惰性に過ぎる日常の中にも 潜んでいる小さな安堵を 見つけては引き寄せつつ 心柔らかに平穏を残せば 遠回りも 迷うことも 間違うことも きっとあるけれど 流されずに 染まらずに 風にぐらついても 立ち位置変えぬ 樹々のように いたいから 今日の出会いに感謝して 時には自分を労いながら 優しい夜には優しい記憶を 温く纏わりながら残しゆく 先日お会いした
窓から吹き込む夜風が 夏の匂いになっている 夜の気配を纏う静けさの中 西日の熱をふくんだままで 鼻腔をくすぐってゆくから 深く吸い込んでみたりして うつろう季節を味わう 窓辺に座ってプルタブを開け グラスにビールを注ぐ 白い泡が 絶妙に立ち上がり ジジジジとアナログラジオのノイズのような 小さな音を立てて 風に紛れていく その溶け込んだ粒子を また深く大きく吸い込む 1ミリだけ伸びた爪みたいな 細い細い月が浮いていて わたしを喜ばせる 三日月や それより細い月に惹か
日暮れ時 夏至を過ぎ今宵の日の入りは 19時17分頃 昼間の余韻と 忍び込む闇との 谷間に浮かぶ薄群青 涼やかさを十分に含む風が 伸びた髪の隙間をそよいでいく 厚みを増しながら足早に動きまわる 蒼みがかったグレイの雲 その下で 北の大地の夏の花 紫陽花が ほんのりと形をつくり始めていた 水無月最終日の帰路 遠くから見ると 葉色と同じように見えるのですが こうして写真に撮ると色の違いが分かりますね 画面の中のあちらこちらで 紫陽花を堪能した六月ですが 梅雨のない北
先月から引越しでバタつく中、書く幅を広げすぎて首を締めていました。 そのぶん、言葉とひたすら向き合っていて、脳が溶けてしまったのではと思うほど脱力したり。 訂正のきかない紙の文章は緊張します。締め切りギリギリまで粘っても、なかなか最後の一文に違和感が拭えず、満足いかぬまま提出。その翌日に言葉がさらりと降りてきて。どうして今なの、と愕然としたりしていました。思いつかないなら最後まで思いつかないでほしかった。そのほうが、もはやここまでよ、と諦めもつくというもの。 そんな日々から
通勤経路の車窓から視界に入っていたピンク色は、いつの間にか散ったのか新緑に変化していた。 それでも大丈夫。 蕾でスタンバイしていた八重桜が、バトンを渡されたように、もっと濃ゆく鮮やかに開花していくから。 数日前、久しぶりに歩いた。 小路をてくてくと。 やはり見かけるのは八重桜が多い。 わさわさの花びら。 あまり見かけたことのない、しだれ桜を見つけて感動。 その佇まい。 しばし目を奪われて、真下に入って空を見上げてみたり、遠く離れてしなる枝の様子を眺めたりした。 そ
先月卒業した次女が戻ってくることになったので、休みのたびに車で少しずつ荷物を運び出している。同時に、昨秋一度戻ってきていた長女が家を出るための引越し準備をすすめている。 この春は、ダブル引越しで気忙しい。数少ない休日のほとんどを、荷物を運んだり詰めたりほどいたりしている。桜を見逃すのではと思うほど。 今年は桜前線も、同じようにとんでもない気忙しさで北海道までやってきた。5月でいいのに、と思う。今は祝日も休みがないので、GWに咲いても見に行く時間はないかもしれないけれど。で
きっと雨音で目覚めたのだろう 強い雨が降っていた まだ朝になるまえのころ そっと目頭を指先で押さえると 薄闇の色が深くなり 雨音が近づいてくる その音に追い立てられるかのように 頭は、凛と冴えていく 目は、まだ開けないでとまぶたに懇願している そんなやりとりを笑うかのように アスファルトや窓ガラスを打楽器にして 激しくリズムを打ち続ける雨 参りました、と 電気を灯し枕元の単行本を手に取った 室温を確認し暖房を点ける 集中力の欠けたなかで読んでいると 新聞が届く音がし
明るくなるのが随分早くなり 朝活しやすくなりました 青空ですが気温は急降下中 今晩からは冷えた雨が降って 明日には雪になるようです 冬靴は既に洗って仕舞い済み 冬コートはまだすぐに出せる状態 今はまだ青空が出ていて どうしたものか悩んでいるところ マーブル模様の雲がひらひら風に乗って流れていて 暖かそうなふりをしているけれど 窓をそっと開けると見た目とは違う冷たい風 見ているだけじゃ分からない 早朝 紙ごみと回覧板を持って外に出ると 小さな小さなピンクを見つけました