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酒場とは魂の居場所

半地下でバー"M"を営む"I"さんと"A"さん。
休業中で内装リニューアルするためゴタゴタしてるなか、快く迎え入れてくれた。

何も言わずとも、「ビール飲む?」と誘ってくれた。

自分の店を持ちたくて、物件取得の相談をして帰ってきて何か釈然とせず悶々としてた自分を察してくれたのか、「まあ座りなよ」と優しい笑顔で。

オファーされた物件の家賃が、自分がやりたい規模と釣り合わないので値下げ交渉をしていて、やっぱり断ろうと思うんですと洩らしたところ
「酒場っていうのはさ、なんで灯りを点してるのかってことだね」と。

「美味しいものを提供するのは当たり前のようにクリアしていかなくちゃいけないのは飲食店だからね。だけど、数ある飲食店の扉が開いてる中どうしてうちの扉を開けてくれたのか?それが大事なんだよ。」

「こうやって俺たちが語り合うことが大切なのであって、極論そこにあるのはワインでもウィスキーでも焼酎でもお茶でもなんでもいいんだよね」

「全員が全員そうではないけど、100人に1人くらい、自分と向き合える場所を探して酒場の扉を開ける人がいる。何も頼まずカウンターに座ってしばらく自分と向き合って、しばらく自問自答したあと『ありがとう!じゃあ帰るわ、お会計!』っていう人がいるんだよね。その人は何を求めて来たのかな、わかるかい?」

「お客様は自分の自由な時間をどこで過ごすか探してる。それは山奥で山小屋の灯りを見つけてなんとか辿り着くような感覚。酒場はそのために灯りを点すんだよね。俺はそう思ってる。だから一度点した灯りは絶対に消しちゃいけないんだよ。」

「酒場はゴミ箱だと思ってる。お客様がどこにも捨てられない思いや感情とか、そんなのを色々吐き出して空っぽにして明日頑張れるようになるゴミ箱なんよ。だから俺たちはそれを受け流せるでっかい器をもってなくちゃいけない。そして次の日にはそのゴミ箱をまた空っぽにして吐き出しに来るお客様をお迎えするんだよ。」

福島は素晴らしい!

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