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part.1〜ソナチネ編〜クラシックピアノのおもろ過ぎるロマンシリーズ

こんにちは、山嶺(やまみね)さくらと申します。普段はピアノを弾いたり教えたり、環境音楽の作曲や分析をしています。
素朴な疑問やピアニストのあるあるについて、今日も解説していきたいと思います!

たまに中学生同士(たまに大人同士)などの会話で、耳にする言葉があります。

ソナチネやってるの?私小学校の時に弾いたことある〜!簡単だよね。

はい。
ソナチネを弾いた事のある方は多いかもしれません。3~5歳くらいから習い始めて、小学校低学年頃に演奏する方が多いのではないでしょうか。

ピアノのお教室というのは、1回のレッスンにおける時間が限られています。
その中ではっきりと『目に見える』成長が、ピアノを学んでいる本人と親御様にとっては必要なのです。

ブルグミュラーを卒業して、モーツァルトとかディズニーとか早く弾けるようになりたい。
革命とか幻想即興曲とか、有名な難曲のエチュードをみんなの前でカッコよく弾きたい。
発表会で娘がみんなの前で演奏する姿を見たい。ビデオにおさめたい。

その喜びのために、通わせてくれているのですから。
そのためには、演奏に対する指導は欠かせないですよね。

つまり何が言いたいかと言うと、ピアノのレッスンには時間が限られているから、教えることを限りなく取捨選択されている、という事です。

ソナチネやブルグミュラーなどの練習曲を練習してもらう。それと平行で、本人の弾きたいJPOPやクラシックの曲などを練習して来てもらう。
その演奏についての指導だけで、レッスンが毎回終わってしまうのです。

しかし、ソナチネとは一体何なのか。
ブルグミュラーやソナタとは何のためにあるのか。ツェルニー、ハノンが何のためにどんな効果をもたらすものなのか。
知っていますか??

ほとんどの方は小学校卒業までにピアノをやめてしまいますが、その方たちは知らないのです。というより恐らく、然るべき勉強をしないと、詳しいことを学ぶことは出来ません。

ソナチネがなにか。そもそも何語やねん、とか。
さらに言うと、ソナチネ弾く時の楽譜の表紙にソナチネアルバムって書いてあるけど、『アルバム』てなんやねん、とか。
ソナチネって全部で何曲あるん、とか。

かく言う私も、音大で使われる教材の楽曲分析の勉強中に、ようやく知った程でした。
えっソナタってそういう意味なん...ソナチネってそうやったん...となりました。

では解説しましょう。
ソナチネとは。

ソナチネsonatine(伊)とは
『ソナタの小規模&簡単バージョンの事である。』

......いや、
じゃあソナタってなんやねん〜!!!!
(ちなみにソナチネは複数形で、単数だとソナチナsonatinaと呼ぶそうです。)

次回、ソナタ編。
ばっちり解説していきます。
お楽しみに!!
(今回は、以下の番外編がメインです)

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【番外編〜ソナチネは本当に簡単なのか〜】

冒頭にあげた、以下の文。

ソナチネやってるの?私小学校の時に弾いたことある〜!簡単だよね。

このような会話がある度に、少し寂しく思います。
以下の楽譜を見ても、簡単だと思えますか??

ちょっと意地悪な楽譜を出してしまいました(笑)

ピアノの経験があり、ソナチネの曲を弾いた事があるのは、素敵な事だと思います。

しかしソナチネにも、練習に膨大な時間がかかったり、なんでなん?!って言うぐらい難しい曲はたくさんあります

ソナチネやってるよーと軽く言っても、技術的難曲に挑戦している場合もあるのです。(その場合は、いろんな意味でねぎらってあげましょう...)

たとえ音数が少なくて『音を鳴らすのは簡単』な曲でも、
歴史を紐解き、体系的に理解して愛を以て、かつ相手に伝わるように弾く事は非常に難しいのです。際限がありません。

もちろん、子ども向けに内容を絞っているレッスン通りに、指を動かすのはすぐに出来るかもしれません。

しかし家に帰って、楽譜とにらめっこしながら1音ずつ、作曲家がその音を選んだ理由を考える。
和音の響きをゆっくり聴いてみて、この音の気持ちはどんな風だろうと考える。
その曲を作るに至った理由や人生ドラマを調べてみて、感情がこもっているように聴こえるにはどう音量調整していけばいいんだろう...と悩む。

というように、真剣に演奏する人にとっては、どんな曲だったとしても
調べたり考えたりするだけで一日に何時間もかかってしまいます。

また、音が少ないと演奏するのが簡単だろう!と考えている方がいます。
色の多彩な水彩画や油絵よりも、鉛筆画の方がよほど簡単なのでしょうか?
...違いますよね。

どんな曲にも、簡単なことなど決してありません。
全く同じ曲でも、自分の演奏の録音や、他のいろんな人の演奏を聴いてみれば
奥深い面白さや魅力があるのです。

その人はその人の音楽を奏でようとしている。応援しましょう。
そしてもし今の自分なら。
あの時の曲を同じようにまた弾いた時、どのように演奏が変わるだろう。そこに面白さがあります。

味が薄い最高級の料理を『簡単』という言葉だけで終わらせるには、あまりにロマンが無い、ではありませんか。

どうしてその曲が、あなたが言う『簡単』な音に至ったのかを考えて、一緒に思いを馳せましょう。そこにはきっと、芸術的な美しさがありますよ。

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pianist keyboard
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