実用!魔導大戦グリモワール

「いとも鋭き…神意の……剣」祭服を纏う男は重厚な書物をめくり、憂いを帯びて目を細める。
「鉄の葉衣。命脈を保つ」片や黒マントに蛇腹の経典を巻き付けた胡乱な男に、殺気が滲んでいた。

 二者は詠唱を止め…不穏に輝く頁を…破り捨てた
 祭服がありったけの筋力で投擲!「最新百科辞典の極薄は斬れ味バツグンよ!死ねーッ」硬化した紙片はギロチンめいて飛来!
 黒マントは流線型の張り子障壁を形成…全て受け流す!しかし!「フ…。な、何!?」吐血!
 背面に一撃!二撃!死亡!なんたる高位魔導師の曲射投擲術か!

 祭服は安堵し「漁夫の利ーッ」潜んでいた新手が!
「!?どういう意味だ!」「漁夫の利わかんねェかーッ!死んでろーッ!」

 叫ぶや迸る炎!「ぶばばばばーッ!」全身焚書殺
 西暦37564年、魔術文明の退行により書物は使い捨ての兵器と成り下がっていた!

「呪文を忘れぬだけの猿どもが……皆殺しだ」謎の影は毒づき、去った。都へ…!

【続く】

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