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3月25日(木) 黄金色の地球を散歩する

雨上がり17時。
部屋に射し込む光を見て外に出なくちゃ!と思った。

急いで着替える。
最近買ったばかりの白いTシャツに黒いパンツ、お気に入りのカーディガンを羽織って。
左のポケットには飴玉3つ、右のポケットには携帯と頓服薬。手には水筒。それがわたしの外出セットだ。

近くの池のある公園に行った。
いちばんの目的はこの子だった。

まだ満開ではなかったけれど、可愛らしく咲いていた。
つぼみは今にも弾けそうだし、これから樹木はぽわぽわになっていくのだろう。
花びらが夕陽を透かしていた。
強い西陽を受けながら、それでも自らの色を失っていなかった。

花を撮るってすごく難しい。
生きているから、綺麗だと思ってカメラを向けても、その時には違う姿になっている。
カメラを向けるより、目に焼き付けた方がいいかもしれないなと思った。


菜の花も咲いていた。
池の寒色に黄色がよく映える。
発光しているように見えた。
どの花もいつも光り輝いている。
命の光。


愛おしい人たちもいた。

カワウが好きだな。
絵に描いたことがある。
ごはんを十分に食べたら、住処へと戻っていくのだろう。夕刻に太陽に照らされている姿をよく見かける。
今日は2羽だけだった。
多いときには何十羽が群れをなして泳いでいる。なかなかに圧巻で、それでいて悠々としていて、見ているととても楽しい。


池をグルっと周ったら太陽が正面に来た。
水面に映る光が眩しすぎてビームみたいだと思った。

生まれては消え、生まれては消えていく光の粒。
水面に映る光が好きだな。
光の粒は星、あるいは金平糖。
踊っているようにも見える。
パチンパチンと弾けて消える愉快な光たち。


夕方の散歩はとても気持ちがよかった。
全てが光り輝いていて、どこを見ても美しかった。
自然のそばに行くと、全てのことが穏やかになるような気がする。
ただそこにある、ただ存在していて、ただ今だけを感じる。そういうことができるような気がする。
黄金色の地球のその上に立っている。
とても尊いこと。

明日も出かけてみようかな。
おしまい

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