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【自己紹介】 なぜ コロナのど真ん中に 会社を起業したのか

こんにちは。
採用動画メディア「moovy」を運営している三嶋です。
今回は、株式会社moovyの創業ストーリーをお話しします。

今回、記事を執筆する人
新卒で株式会社キャリアデザインセンターへ入社。転職エージェントのコンサルタントとして、企業の中途採用支援及び約8000名のキャリアカウンセリングを経験。その後、経営企画課長や転職エージェント事業の営業局長(最年少 局長)、新規事業責任者を歴任。2020年4月より株式会社moovyを創業、7月に採用動画メディア「moovy」ベータ版をリリース。

私はこれまで、約300社の企業の採用支援と、社会人・学生合わせて約8,000人のキャリアカウンセリングをしてきました。
幅広い業界・職種の方々の仕事選びを支援させていただく中で、共通して感じたことは、「仕事」と「人生」は強くリンクしているということです。

もちろん仕事だけが人生ではありませんが、仕事は人生の中でも重要な部分をしめています。

しかし、実際の仕事選びでは、
十分な情報を取得をせず(もしくはできず)に、入社に至っているという人が多いように感じます。どうしても、「社名や商品名を知っている会社」や「年収が高いか」「休日が多いか」で反射的に選んでしまいがちです。

本当に自分の適性に合った仕事かどうか、入社後に自分が活躍できるかどうか。表面的な情報だけでなく、企業や組織に内在する良いところも悪いところもひっくるめて認識し、納得して入社する。
そんな仕事選びが出来る人を1人でも多く増やしたい。

そこで、2020年4月に株式会社moovyを設立しました。

今回は、「何故、コロナ真っ只中に会社を創業し、採用マーケットが冷え込む中、あえて採用系のメディアを作るに至ったのか」をご紹介します。
最後までお付き合いいただければ幸いです。

2006年リクルートという会社に面食らった

私自身の最初の仕事選びは、15年前の就職活動です。当時は、周りに流されるように始めたこともあり、

「やっぱり入るなら大手企業が良いかな」
「好きな商品のメーカーを受けてみようかな」
「ブライダル業界で働けば、可愛い女の子に出会えるかな…」

など、今考えれば随分と不純な動機で、仕事選びをしようとしていました。

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(大学当時は、ろくに勉強もせずに、バイクで日本中を旅してました…)

そんな気持ちでいくつかの会社の選考に進んでいた私の考えを大きく変えてくれたのが、「リクルート」という会社との出会いです。

リクルートを知るきっかけとなったのは、当時受けていた何社かの会社説明会で、企業の経営者や人事部長が「私は、元々リクルート出身で…」と語っているのを聞いて、こんなに人が辞める会社ってどうなんだ。と懐疑的な気持ちと、なんでこんなに胸を張ってリクルートについて語ってんだ?という不思議な気持ちでした。

そんなこんなでリクルートの選考に参加してみると、これまで受けてきた企業とは雰囲気が違っていました。グループワークや面接に関わる社員たちが、本当に楽しみながら仕事をしてるように感じ、話しているとワクワクしてきたんです。

「激務だけど、超楽しそう。」
「え?あと2年で起業するんすか?」
「(退職することを卒業って言っているし…)」

他の会社の選考では感じられなかった感覚に、私は衝撃を受けました。リクルートは凄く面白そうな会社だなと思ったんです。

そのことをきっかけに、リクルートに関する本を読み漁っていくことになり、最終的には、卒業論文では「リクルートはなぜ人材輩出企業になり得たのか」というテーマで書くことになりました(笑)

ちょうどこの頃、尊敬していた兄が会社に向かう途中、交通事故に遭いました。数日後、九死に一生を得て目を覚ましたものの、脳に高度の障害を負ったためいくつもの後遺症が残りました。目の当たりにした “人生の有限感”。

「人間、いつ死ぬか分からない」

そこから働くことに対する価値観は大きく変わりました。

「働く」とは、ただ給料をもらって自分の時間を誰かに委ねることではなく、自分の人生を創造する機会だと気づいたんです。それならば、楽しみながらやりたいことをやって、生きていきたいと考えるようになりました。

そうして改めて就活で自分が進みたい方向を考えたとき、やりたいと思ったのが、経営資源の根幹である「ヒト」に関わる仕事でした。
人材ビジネスはまだ若い産業であり、年功序列ではなく実力主義な風土であることや、幅広い業界の経営者と接点を持てることも魅力に感じました。

ただ、リクルートとのような既に出来上がっている企業ではなく、まだ未完成である「当時のリクルート」のような会社で働いてみたかったので、その時一番イメージが近かった「株式会社キャリアデザインセンター」という企業に入社しました。

転職エージェントで見たマッチングの面白さと難しさ

キャリアデザインセンターでは、転職エージェントのコンサルタントとして、求人企業の採用支援と転職者のキャリア支援を行なっていました。

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(血気盛んな2年目の私…. 採用パンフレットにて)

3年目から、楽天、DeNA、GREE、mixi、GMO、IMJなど、IT/インターネット系の成長ベンチャーをほぼ任せてもらっていて、累計約300社を担当。そのおかげで業界全体の知識、各企業ごとの事業特徴、企業カルチャー、必要な人材要件などが叩き込まれました。

そこから私が転職エージェントの仕事を10年間する中で感じたのは、
「人が生き生きと働けるかどうかは、環境によるところが大きい」
ということです。

単に給料が良いとか条件が良いとかいうだけでなく、その人が持っている力を発揮できる環境があるかによって、転職後の姿がまるで違う。そんな事例を私はたくさん見てきました。

例えば、ある外資系金融で働いていた年収1,500万の方が、私のクライアントである成長中のWebベンチャーの幹部候補として内定が出て、年収を600万に落として転職を決意。自分が希望する裁量権と企業の将来性に惹かれたと、奥さんの反対を押し切って入社。数年後、実際その会社の幹部となり、日経ビジネスの見開き2ページで特集されていた時は、鳥肌が立ちました

その方自身→その方が所属する組織→その会社が、一つのきっかけでプラスの波紋が広がっていく様子を目の当たりにすることになりました。

一方で、能力が高く、主体的で意欲もあって入社したはずの人が、仕組みやルールが出来上がっている大きな組織の中で過度なアジャストを求められたことで、知らず知らずのうちに受け身になり、目の輝きが失われていくこともありました。

こうした様々な例を見た上で、私が大切にしてきたのは、求職者の方に高揚感と充実感を持って働いてもらえるかということでした。

ただ、何か目的に向かって「自分が動かしている」と思える高揚感、それが周りの人たちとの関わりで有機的に繋がっているという充実感。この2つがあれば、人は生き生きと働けるのだと、私は確信していきました。

しかし、このような企業の文化や社員の特徴は、求人広告・求人票などのフォーマットでは、正確に表現できない抽象度の高い情報です。そもそも見極めも難しい。何か良い方法でリアルで正しい情報を伝えられないか…悶々と考えていました。

毎週1件、事業アイデアを役員にプレゼン

自分の仕事も、会社の業績も順調でしたが、私はここ数年間「うちの会社やHR業界はこのままでいいのか」という焦燥感にかられるようになっていました。(会社からすれば余計なお世話なんですが笑)

業務を通して様々な会社を見ている中で、どんどん新しいことにチャレンジしている会社とそうでないところでは、業績の明暗がはっきりと分かれていたからです。

日本・海外の採用動向や技術の進化、社会的価値観の変化、事業の市場規模推移を分析していても、自分たちの会社の既存事業がいずれ頭打ちになるのではという危機感が、私の中にはありました。

そう思った私は、新規事業開発部門の立ち上げを社長に提案し、「言い出しっぺのお前がやれ!」ということで私が責任者としてやらせてもらえるチャンスをいただくことができました。

念頭にあったのは、自分の原体験と既存事業との親和性もふまえた、HR領域の新しいプラットホームです。採用だけでなくタレントマネジメントのようなSaaSビジネスも含めて、市場調査を行いました。

3ヶ月で起業家・新規事業担当者の方々 100人にインタビューをしたり、カンファレンスに参加したり、国内外のレポートを読んだ上で情報を精査。実現性や新規性、収益性を加味し、毎週1つ新規事業プランを管掌役員にピッチしていきました。

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そうして、2ヶ月半で考えた計10件の事業アイデアの1案が、採用動画配信プラットフォームでした。
通信環境とスマホスペックの向上により、みんなが当たり前に動画を撮影〜編集し、配信する時代になりつつあります。転職エージェント時代に感じた、企業内部のリアルな情報を届けることで、最適なマッチングを増やしていきたいという想いとも重なり、動画配信サービスをやってみたいと考えました。

動画制作が難しいイメージもありますが、今では簡単に動画編集できるアプリがたくさん出てきたこと、これからは凝ったエフェクトよりも、素材そのまま使うような動画のほうが求められてくるのではないかと考えました。そんな動画のプラットホームを作れば、HR業界に新しい風を吹かせることが出来るかもしれないと思った私は「これはいける!」と意気込んで、この事業プランを役員会で提案しました。

ただ、私の渾身のプレゼンに対して返ってきたのは、渋い反応。

東証一部の上場会社の新規事業として、経済合理性、社会的意義、いろんな意味で株主に対しても説明できる事業計画でなくてはいけません。何度か議論を重ねた末、社長から冗談交じりにこう言われたんです。

「そこまで言うなら、三嶋が起業してやってみたら?」

一瞬、時が止まりました。

就活時代にリクルートマンに出会って「いつか起業」は意識していましたが、もともと自分が手を挙げて、会社の新規事業として提案していたので、起業を前提として考えていたわけではありませんが、

このときの私はなんだかふと、「その通りだな」と思ってしまったのです。自らリスクを取って、自分が見てきた課題に対して、自分で解決策を提示すべきだと思ったのです。

キャリアデザインセンターの創業者として、ここまで事業を立ち上げてきた社長の一言で目が覚めました。そして熟慮の末、2019年7月にキャリアデザインセンターを退職しました。

35歳にしてプログラミングスクールへ、そして仲間と共に起業

2019年の10月から起業家・エンジニア養成学校「G’s ACADEMY(LAB8)」に入って、7ヶ月間プログラミングの学習をしました。バグとエラーと格闘しながら毎日10時間以上…。。ひたすらコードのいろはを学びました。

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そして、そこで出会った仲間と共に、2020年4月に株式会社moovyを設立。1回目の緊急事態宣言期間のど真ん中で、日に日に採用マーケットが冷え込んでいるのがわかっていました。実際、動画の掲載が決まっていたベンチャー企業3社が採用ペンディングとなってしまいました。

ただ、こういう時こそ、新しい採用メディアが求められるのではないか。買い手市場になればなるほど、入社後ミスマッチにならないよう求職者にとって必要な情報があるのではないかという思いが強くありました。

そして、遂に2020年7月に『moovy』という採用動画メディア(β)をリリース。30秒というショートムービーをたくさんアップすることで、働く仲間、働く環境、携わる事業などのリアルな情報を求職者に届けることを目指しています。

現在『moovy』を利用してくれている企業のほとんどは、今後の日本を支える社会的インパクトの大きい成長ベンチャーです。
現実問題として、採用にはお金がかかります。そのため、ブランド力があり、大きな採用予算を取れる大企業にばかり人が集まりやすく、逆にベンチャー企業は人材を集めるのが難しい傾向にあります。

ただ、ベンチャー企業には、大手企業にはない社員の魅力やプロダクトの社会的意義があると思っています。

特に、決められたことを決められた範囲でやる仕事ではなく、より主体性を維持しながら仕事ができる環境は、ベンチャー企業にこそあるのではないかと感じており、そうした起業家や成長産業に優秀な人材が流れるような動きを作っていきたいのです。

夢を持って社会の新しい価値創造のためにチャレンジするために能力も意欲も高い人材を求めている会社と、高揚感や充実感を持って働ける環境を求めている求職者。
そんな会社や人を応援するため、両者をマッチングできるプラットホームになりたいというのが、私たちmoovyの想いです。

使命を果たす

人はいい仕事に出会い、自分の存在価値を実感できたとき、イキイキと輝きます。そして、仕事が充実していると、プライベートも含めて人生を豊かに過ごすことができます。

仕事を通じて自分を成長させることができ、新しい仲間に出会い、素晴らしいコミュニティを築くことができます。

ただ言われたことをやって、精神をすり減らしながら時間をやり過ごすのではなく、朝起きるのが楽しみだと思えるような「いい仕事」と「いいチーム」に、より多くの人に出会ってもらいたい

そうして仕事をする高揚感と充実感を社会に広げていくのが私の仕事です。

最後まで、お読みくださりありがとうございます。


追伸:Twitterもやってます!よければフォローしてください!
https://twitter.com/mishi_hiro


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