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名画は嘘をつく


著. 木村泰司


西洋美術史において、彫刻から絵画の時代になったのは14世紀のルネサンス時代からだといいます。

そこから様々な絵画が描かれ、今でも数多くの作品が残っています。

その中でも誰しもが一度は目にしたことのあるような「名画」とされている作品。

果たして、名画のつく嘘とは何でしょうか。

絵画というのは何らかの情報を持っていて、その絵の描かれた背景や真実が様々な理由によって誤解されて伝わっているということがあるようです。

現代人の芸術に対する考えは、製作者の内面世界が表現されたものとして捉えられる傾向がありますが、画家自身が個人的な世界観を表現するようになったのは19世紀半ば以降だといいます。

作品のタイトルを画家自身がつけるようになったのもこの頃であるようです。

伝統的な絵画が制作された時代に、絵画がどのような意味を持っていたのか、現代人には理解しずらく、特に西洋文明をルーツに持たない日本はそれが顕著に伺えると著者は述べています。

古典的な絵画にはまずタイトルはついておらず、財産目録に記されていた絵画の説明文が現代に伝わるタイトルになっていたり、所有者が変わる度に目録の説明文が変わっていき、そのため、複数のタイトルが混在していることもあるそうです。

したがって、名画には多くの嘘があり、裏に見える本当の真実や、その絵が描かれた背景や理由を見ていくことができる本です。

まさに名画とされているヨハネス・フェルメールの作品の真珠の耳飾りの少女という絵があります。

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これは肖像画だと思われがちですが、実は肖像画ではないそうです。

つまりこの人物は実際にいたのかも本人に似ているのかもわからないのだそう。

ではどんな目的や背景があって描かれたのかといったことが、この本では説明されていて知られざる名画の謎に迫っていくことができます。


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ほとんどの人が知っているであろうこのムンクの叫び。

この絵も実はよく誤解されていて、この絵の中の人が叫んでいるように見えますが、この人は叫んでいるのではないといいます。

では一体なにを描いているのか。
数多くの名画が写真付きで説明されています。

名画が持っている情報や時代背景がわかってくると、絵画に対する見方が変わってきます。

西洋の歴史が見えてきたり、当時の人々の生活や価値観など、今まで知ることのなかった情報を得ると絵画はとても興味深いものになります。

絵画が好きな人も読んでみると意外に知らなかった事実を知れるかもしれません。

絵画の事はあまり知らないといった人でも、この本を読むと絵画に興味が湧くと思います。

どんな人が読んでも楽しめる本だと思うので、ぜひ読んでみて欲しい一冊です。



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書評家見習いです。
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