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メーカーは機能で、マーケターはジョブで言いたがるけど、生活者の本当の気持ちはそこにはない

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今日は経営や戦略の話ではなく最近よく話すマーケティングの話をしたいと思います。

メーカーが商品を売る時にはTVCMなどを通じて生活者の人々に広告を通じてメッセージを届けます。ここで何を言うかで生活者がその商品を買いたいと思ったり、興味が一切上がらなかったりします。あなたがメーカーのマーケティング担当者なら何を言いますか?

メーカーは機能で言いたがる

テレビであればもっと解像度を良く、とか表示スピードが上がったかとかそういう事を言いたがります。実際の生活者は解像度が上がったからテレビを買いますか?表示スピードが上がったから買うわけでは無いと思いつつやってしまう。

でもそれは仕方が無い事なんですよね。言うまでもなく家電メーカーであれ、飲料メーカーであれ、競合がいて、その競合との差別化に製品開発は明け暮れています。であれば伝える事もその「差分」になりがちです。

「機能」というのは(5倍速、プリン体を減らす、消臭効果、など)生活者から見ると世の中に溢れる機能は数万以上はあるものでどの機能がなんの役に立つかわかりにくいのです。

マーケターはジョブで言いたがる

メーカーの宣伝部や広告代理店のマーケターの中でも優秀な人たちはジョブ理論を用いて広告を作るようになってきました。

ジョブ理論とは「破壊的イノベーション論」を唱えたクリステンセンが提唱している理論で、商品を買うと言う事は、人が煩わしい用事を解決するためにその商品を雇用する事である。という理論です。

例えばこの本で紹介されている事例でいえばP&Gが紙おむつのブランドであるパンパースを中国市場に売り込む時に、中国はまだ紙おむつではなかった。なのでできるだけ安く利用しやすいようにしたがうまく行かなかった。

そしてジョブを探していくところでパンパースをつけている子供は30%寝つきが良くなり、親も起こされなくて済む事に気づいた。というエピソードです。

機能であれば「蒸れない」がジョブで言うと「子供を寝かしつける」や、母であり働く女性自身の「睡眠を確保する」という事になります。

ジョブはおそらく数百ー数千くらいしか無いでしょうから生活者にとっても機能よりはジョブの方が合致しやすいと思います。でももっと分母が少ない大切なものは無いでしょうか?

生活者が求めているものは機能やジョブではないと疑ってみる

物が溢れている今、より良い機能を求めたり、ジョブを解決するだけで本当にいいのでしょうか?

機能は数万あるのでその中で選ばれるのは大変でしょう。ジョブであれば数百から数千でしょうからその中で選んでもらう確率は上がるかもしれませんが、多くのジョブの中であなたの商品は埋もれてしまうでしょう。

実はたった10個くらいしかなく、もっと生活者を直接満たすものがあると思っています。

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