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家電の価値は

電気洗濯機が登場して以来、多くの家事が電化していきました。
冷たい水と木の板で擦っていた洗濯、薪を焚いて火を起こしていた炊飯、出来立てを提供することでしか解決できなかった再加熱など、様々な行為を代替したり、新たにできるようにしていきました。
多くの電化製品が登場し、市場で鎬を削りあった結果、極めて多様な商品が世の中に溢れ、多くの商品が消えていきました。

材料を入れれば食パンを焼いてくれる機械や、自動で動き回る掃除機が生き残っている一方、餅をワッフル状に焼き上げる機械や、棒状の卵焼きを作る機械は消えていきました。
技術の進歩により白熱灯だけでなく蛍光灯も消えかかっていますし、一世を風靡していたジューサーですら、風前の灯です。

多くのメーカーが様々な価値を提案しますが、多くが価値として受け取られることなく消えていきます。
認められる価値と認められずに消えていく価値、この差は何でしょうか。

価値があるから交換される、一見すると正しいことですが、交換されることで価値が生まれるという考え方もできます。

提供する機能は優れているものの、財産と交換するほどのものではない、だから価値が生まれない。価値が生まれていないのだから消えていく、という考え方です。

交換に応じるほどではない、そこには幾つも理由があります。

提供される機能が重要なものではない、手段に代替性がある、そもそも本質的なものが提供されていない。そういった条件に合致している限りは必要とされることはありません。

顧客にとって重要な作業を代替性なく本質的に解決すること。これが常に求められる価値です。

雑菌の繁殖や髪の傷みを抑制する為に髪をすばやく乾かそうとしたら、タオルや暖房器ではなくドライヤーが必要になりますが、ジュースを飲む為の手段は無数にあります。

顧客にとって重要な作業であること。

代替手段がないこと。

本質的な解決をしてくれること。

それらが揃った時、文化として定着し、揃わなければ一過性のブームで終わってしまいます。

日本は家電のガラパゴスと言われていますが、少しずつ競争力を失ってきています。

重要なことを、代替性のない機能で、本質的に解決する。

今一度初心に帰ると、見えて来るものがあるのではないでしょうか。

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