見出し画像

言葉の力

授業に国語があり、学問に言語学があるように、言葉は非常に重要です。
少しの違いで相手を不快にさせたり、気遣いに感じさせたりします。
口述であれば抑揚によって意味合いを変えることが出来ますが、記述では文法的な正確性と相互の一定の共通認識が必要になります。

学生時代の試験で、出題意図を読み違えて珍回答を生む事例が多く紹介されます。
有名な事例では四字熟語の⬜︎肉⬜︎食を焼肉定食というものがありますが、四字熟語が慣用句なのか広義のものなのかで成否が分かれてきます。

これは私の中学時代の苦い思い出です。
おりしも国語では文法を習い、助詞の意味を理解して正確に使い分けることを意識していた頃でした。
数学の試験で以下のような問題が出ました。
「下記の文章題を解きなさい。途中式を書きなさい」
「を」には対象を指定する機能があります。
「野菜を持ってきなさい。ピーマンを持ってきなさい」と言われれば私たちはピーマンを持ってくることでしょう。
一緒に人参やジャガイモを持ってこようとは思いません。
同じように私は途中式を記載し、解を消しました。
何故なら求められているのは途中式だからです。

結果、解の記載がないという理由で減点されました。
出題に対して解を記載するのは当然のことであるという言い分です。
何故「も」と書かないのか、「を」と書いてあるから消したのだという抗議も虚しく改善はなされませんでした。
私は心を閉ざし、文系人間になりました。

マーケターにとって言葉との縁は切っても切れないものです。
記述すれば視覚から、口述すれば聴覚から顧客に刺激を与えます。
わずか一文字一音であっても、その影響力は計り知れません。
言葉の使い方には充分に配慮をするようにしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?