見出し画像

ペルソナとシーン

マーケティングにおいてペルソナが重要視されます。
顧客は誰か。
どこのどんな人で、どう言った価値観を持っているのか、それらを明確にすることで提供価値を鮮明にするとともに関係者の意識を共通のものにする手法です。
プロダクトアウトでもマーケットインでもなく、ユーザーインだという表現もあります。
ペルソナが明確になるほど顧客像は鮮明になりますが、当てはまる人口も減っていきます。
ある程度の共感者がいることを想像しながら人物像を組み上げれば、出来上がった人物像に無理矢理感が出てしまうかステレオタイプになってしまいます。
果たしてペルソナは正しいアプローチなのでしょうか。
間違えではない、但し万能でもない。
そんな観点で考えたいと思います。

人の人生をロードムービーのように捉えてみます。
出発地点から目的地まで車を走らせます。
どこを出て、どこに向かうのか、どんな車で、どんな人がを考えるのがペルソナです。
出発地点は個々バラバラで、目的地や移動手段には代表例がありそうです。
どんな人かは鮮明にするほど母数が減っていきます。
鮮明にするほど共感者が減るという矛盾が出てきます。

移動手段や経路はまちまちですが、そこで見える景色はどうでしょう。
スカイツリーが正面から見える交差点、富士山の見える高台、昔ながらの建物が並ぶ商店街。
出発地点も目的地も運転手もバラバラでも、同じ景色を目にするタイミングがあります。
道が交わる時、同じ道を通るとき、経緯の違う人が同じシーンを見ます。

どんな人かにフォーカスするのも一つの手法ですが、周りが共感するのは人の設定ではありません。
その人の人生観であったり、人生観を通じて目にするシーンに共感するのです。
であればペルソナではなく、異なる人でも目にするシーンにフォーカスした方が効果的なのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?