【怪談実話110】深夜のテニスコート
二十年ほど前、Aさんが中学一年生の頃の話。
彼女は年上のB君に片想いしており、頻繁に連絡を取り合っていた。
その夜も、自宅で電話越しにぺちゃくちゃと彼と雑談していた。彼から「今からちょっと、コンビニ行かない?」と誘われ、Aさんは快諾した。
夜間に、しかも片想い中の男性とふたりで会うことは、Aさんにとって初めての経験だった。夜だというのに張り切ってオシャレもした。もしかしたら手を繋いでくれるかも……と淡い期待を胸に秘め、ワクワクしながら彼が自宅前まで迎えに来るのを待っていた