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ー 倒産寸前ニット工場の再生物語 ①ー

月城亮一(MOONCASTLE)

MOONCASTLEとは?

MOONCASTLEは、大阪府南部岬町で1966年創業したニット工場が新たにスタートさせた、”工場で生産”するメンズのファクトリーブランドです。

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勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが、
MOONCASTLE = 月城
ブランド名がそのまま、会社名であり、私の名前です。
(自分で言うのも恥ずかしいですが、カッコいい名前で生まれて良かったです。)

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ブランド名から分かるように、
株式会社月城はいわゆる同族企業で、私の祖父が創業した会社です。現在では会長の祖父、社長の父、私の親子3世代で働いています。

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(創業者であり、私の祖父。今でも現役でニットを作っている。)

そしてこのMOONCASTLEを立ち上げたのが、創業者の孫であり3代目の私, 月城亮一です。

3代目について

CF__月城プロフィール


1993年生まれの26歳。2017年に株式会社月城に入社し、3代目に。入社以降はアパレルメーカーやセレクトショップ等へ営業をおこなう。2020年5月にクラウドファンディングでブランドデビューし、今に至る。

なぜ継ぐことになったのか?

一言でいうと、会社が崖っぷちの状態にあったからです。

当時、私は23歳、大学を出てすぐのタイミングでした。卒業後は東京の一部上場企業に就職しました。ただ入社の2ヵ月前に、「社会に出る前に家業の状況を知っておくように」と、はじめて家業の決算書を父親から見せられました。その時に見た内容が悲惨な状況で、家業に対する危機感が募り、真剣に考えた末、3ヶ月で退職。両親の反対を押し切り、家業に入る決断をしました。


新規営業の日々が続くも。。

23歳で入社してからは、会社の売上を維持すべく、全国のアパレルメーカー・問屋・セレクトショップへ新規営業を繰り返していました。それによって私個人の売上は上がるも、会社全体として売上減に歯止めはかからず非常に苦しい状況が続きました。まるで穴の空いたバケツのようで、新規開拓をすれども、既存得意先の廃業・倒産ラッシュが続き、会社の売上維持とは程遠い状況でした。

それもそのはず、過去20年くらいにわたるアパレル不況の影響で、アパレルメーカーの受注が激減していました。また業界全体として、コストが低く品質も安定した海外生産へシフトする流れもあり、当然の結果でした。

そんな中、忘れもしない出来事が起こりました。2020年1月末のことです。なんと一日で3件の得意先が破産してしまったのです。そのうち2件は新規開拓してから、まだ半年も経っていない得意先でした。

2019~20年の秋冬は暖冬にも見舞われ、最悪の経営状態でした。そんな中、追い打ちを掛けるように、新型コロナウイルスがやってきました。

コロナの逆境の中で

連日のように、テレビや新聞で新型コロナウイルスが報道されはじめた2,3月頃には、「このままではまずくなる」ということが容易に想像できました。実際、従来の卸販売では受注が減り始め、大手アパレル企業の倒産ニュースも続出していました。

「急いでどうにかしないといけない」

でも、このコロナ渦でどうにかしようにも、どうにも出来ない。しかし、将来いつかはやりたいなーと考えていた、でも一歩踏み出せなかったアイデアが1つだけありました。

それは「ECでの自社メンズブランド事業」を立ち上げることでした。

他になす術もないので、これに懸けてみようと思い、MOONCASTLEのブランド事業がスタートしました。

<第2章へ続く>
コロナに後押しされ、自社ブランド事業を開始。

公式ブランドサイトはこちら

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