Still Changing~きみは美しい

Tシャツについて書こうとふと思い立ち(久しぶりに洗濯したので)、いまこうして文章を書いている。今日は良い天気になりそうだ。

何年も前の夏、友達の紹介でフェスティバルってやつにDJとして呼ばれる。地元のでっかい野外音楽ステージを使ったフェスティバル。もう最初の年が何年前だか、最後に呼ばれたのが何年前だかも、いまでは覚えてはいない。

嬉しくて仕方なかった。ギャラなどなかったし、確か最初の年には携帯が止まっていて、友達の光君に、「俺がDJしてる時、ああこのひと携帯も止まってんだって笑って」などとつまらない冗談を呟いたりもしていたけれど。

最初の年から3年くらいは、仕込みから手伝いに行った。やっぱり学園祭前のあの感じ、徐々に盛り上がっていくあの感じが好きらしい。何もないステージに機材が組まれ、お客さんの入るスペースを掃除していき、ごはんやドリンクの販売店さんのためにテントを立て、アーティストが車を止める駐車場にチョークでラインを引いていく。何もないところから、何かが始まる瞬間に、僕はずっと居合わせたいと思う。もちろん、いまでも。

呼ばれた最後の年は散々だったけれど、記憶が正しければ、その2年前から1年前は最高のものだった。ちょっと時系列を確認せずに書くけれど、iriさんが素晴らしい弾き語りをし、ライムスターのTシャツを着て、ライムスターの出番前にDJしに控え室に入っていくと、Mummy-Dさんが笑顔で僕にうなづいてくれた。宇多丸さんには友達のヒップホップ・グループのP.O.Pの話をした。ライムスターの出番前にはP.O.Pの「路地裏のピアノ」をDJでかけたりもした。

あるいは七尾旅人さんとも、七尾旅人さんの出番前に挨拶をした。別日で、もちろん七尾旅人さんのTシャツを着ていて、彼にはデビュー・シングルからずっと聴いていること、所沢MOJOでライブを観たこと、そのMOJOが仕掛けたMOJO GROOVEというフェスティバルでの石橋英子さんとのライブを観たこと、そこからBEDTOWNというイベントを始めたこと、一気にまくしたてた気がする。ライブでステージから客席に降りていった七尾旅人さんは、マイクで呟く。「所沢に来るたびに新しい思い出ができます。MOJO GROOVE覚えてますか?所沢MOJO、覚えてますか?」深いリバーブのかけられたマイクからそんな呟きがお客さんの歓声とともに耳に届く。すると僕に駆け寄ってくる何人かの、MOJO GROOVEやMOJOを知ってる友達。そう、音楽はマジックを呼ぶ。

それからやっぱりどうしても、何度だって書こう。OAU、当時はOvergroud Acoustic Underground名義のライブ。TOSHI-LOWさんにライブ前、BAD ATTACKというパンク・バンドの音源を渡す。聴いてくれたかな?。そしてリハーサルのなかでのDJ。アンダートーンズの「Here comes summer」をかけている僕にガッツポーズをくれたTOSHI-LOWさん。OAUの始まる前、最後のの曲に選んだ、ボ・ガンボスの「トンネルぬけて」。するとアコギを持ったTOSHI-LOWさんが「トンネルぬけて」にあわせて歌いはじめ、それでライブがはじまる。そう、音楽はマジックを呼ぶ。こんな幸せな時間はなかなかない。DJのタイミング的にも、あの年のあの場所で、だからこそできたのだとも思う。そこから数年、悲しいかな、いまではそのフェスティバルに呼ばれることはなくなったから。

でもそのフェスティバルでいちばんぐっと来たのは、友達のいった、「呼ばれたDJのなかで、あんただけがずっと客席にいて、ライブを見てるよね」だった。特にかっこつけるでもなく、やっぱりイベントに呼ばれていちばん嬉しいのはライブがずっと見られるってこと。それもリハーサルからずっと、音が立ち上がってくる瞬間、音楽が立ち上がってくる瞬間ってのだけは、いつだって心が震える。

そして僕がいま大切に着ているTシャツは、ライムスター、七尾旅人、OAU、それからそのときどうしても欲しくて、サイズがなくて、でも買いたかったので、ってわけでキッズサイズのECDとイースタン・ユースの吉野さんのソロ。特にECDさんはBEDTOWNという自分のイベントでのライブで、全曲新曲、ツボイさんとの1MC1DJが本当に素晴らしくて、しびれたな。

あとはモアリズム。それはね、ずっと。それから、BAD ATTACKというもう15年以上の付き合いになるパンク・ロック・バンドのTシャツがいちばん多いかな。BAD ATTACKは、最初期は知らない。でも「Underground in the SUN!」という特別なイベントのたびにDJをしていて、久しく見てないけれど、やっぱり特別なバンドだな。そこにネタンダーズのTシャツがあればってはなし。作ってほしいな。それからね、一度だけネタンダーズとエゴラッピンのライブでDJをやらせて貰ったけれど、僕の状態がひどくて、だからいつかまたネタンダーズとエゴラッピンのライブでDJして、エゴラッピンのTシャツを買いたいってのも、夢の一つかな。

最近は、コレクションに髭(Hige)のTシャツも加わった。BOOGIETOWNというBEDTOWNの主催でもある洋愛のイベントにDJで呼ばれて、洋愛にTシャツを貰った。くたくたになるまで着るつもり。須藤寿さんの弾き語りが本当に素晴らしくて、もちろん髭(Hige)はずっと好きでいるから、須藤さんに「弾き語りをするきっかけをくれてありがとね」といわれて、やっぱり凄く嬉しかった(もちろんそれは洋愛さんの力なんだけれど)。

はやくコロナ禍が落ち着いて、たくさんのライブが見たいな。会いたいひとがたくさんいるだけで、幸せもんだなあ。乱文、読んでいただけたらありがとうございます。またね!。


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