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華の金曜日は、推しの声で幕を閉じたい

小学生の頃『ミニモニ。』を好きになったのが、私のオタク人生の始まりだったと思う。そこから舞台俳優にハマり、韓国や中国のアイドルへと関心は移り変わり、今は日本のグローバルボーイズグループを応援している。

元々の飽きやすい性格と、知らないものへの探求心の強さで、今回もまたスルッと沼に落ちてしまった。


私がハマっているアイドルグループは『INI』。韓国の大型オーディションの日本版『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から誕生した11人グループである。

彼らのバックグラウンドがこれまたユニークで、アーティストやアイドルのバックダンサー出身だったり、韓国で練習生をしていたり。はたまた、普通の大学生として生活していた子もいる。

そんな交わるはずのなかった11人が、同じグループとして活動しているなんてすごい奇跡だなあ...と結成1周年を迎えた今でも、感慨深い気持ちでいっぱいになる。同じ夢をもつことは、あらゆる過去を飛び越えた先で出会うことなのかもしれない


そんなINIは、現在レギュラーでラジオ放送を行っている。番組名は『FROM INI(通称:フロイニ)』。深夜1時からと2時からの2部制で、メンバーは毎週入れ替わる。

金曜日の深夜放送なので、仕事の疲れがどっと出て、リアルタイムで視聴するのはなかなかハードだったりする。それでも、twitterではトレンド1位を何度も獲得するほど、ファンの熱量はとてつもなく大きい。


人それぞれの優しさの形を知る


番組の楽しみ方は人それぞれだけど、私は彼らの言葉の選び方やどんな時にどう反応するのかに注目して聞いている。そこから彼らの人柄や優しさが透けて見えるから、好きなのかもしれない。

ある印象的なやりとりがある。その回は後藤威尊(以下:威尊)、池﨑理人(以下:理人)、許豊凡(以下:フェンファン)の3人がラジオパーソナリティとして登場していた。

『私が緊張した瞬間』というテーマで話しているとき、フェンファンが「ラジオが始まったばかりの頃、緊張した。最近は慣れてきたけど、すぐに単語が出てこないときは一気に緊張する。」とこぼしていた。

フェンファンは中国出身のメンバー、日本の大学に通っていたとはいえ、すぐに適切な表現が出てこないのは当たり前のことだと思う。

すると、威尊が即座に「もしかしてこれが言いたいのかな?ってとき、俺がサポートしても大丈夫?」と聞いた。理人も「俺もすぐに言葉が出てこないときがあるから、気にしなくても大丈夫だよ。サポートしていきましょう。」と優しく声を掛けていた。


私は、困った人がいればすぐに助けるのは当たり前だと思っている。でも、威尊はそうではなかった。誰かに頼ることは人の時間を、労力を奪うことだと考えて苦手意識をもつ人もいる。気を遣わせてしまって申し訳ないと落ち込む人もいる。だから、誰かを助けるために許可をとる威尊の押しつけのない優しさを感じた。

私自身も誰かを助けるという行為のなかに「誰かを助けている自分がかっこいい」という偽善の気持ちが混じってはいないだろうかと自分を省みるきっかけをもらった。


想像できない人の心も受け止める


私は弱い姿をみせることも、誰かに頼ることも抵抗がない。その代わり、相手の弱さも見せてほしいし、頼ってほしい。両方で寄りかかれば、お互いさまと思っているから。だからこそ、それが苦手な人の内面が想像できないのだ。

人との快適な距離感や関係性の作り方は人によっては異なるから、自分のものさしで測らないこと。相手を自分のフィルターを通さずに、そのままを受け止める。それが相手を尊重することに繋がるのだと思う。


最初はファンだから聞いていたのだけど、今はもうそれだけじゃない気がする。『フロイニ』は、それぞれのメンバーの優しさの形がたくさん詰まった、私の心の拠り所なのだと思う。


話したことすべてに反応してくれる優しさ、弱さを否定せず受け止めてくれる優しさ、ダメなことはダメと伝えてくれる優しさ、辛い時笑い飛ばして前を向かせてくれる優しさ...。

音声だけなのに、どういう表情で彼らが話しているのかがなんとなく想像できてしまって、思わず笑みが溢れてしまう。


へとへとに疲れた金曜日の夜。彼らの優しさに触れながら、1週間の疲れがすうっと浄化されていく。眠い眼を擦りながら、番組の「メッセージフォーム」を立ち上げて、ありったけの愛を指先に込める。

これからもこの温かい居場所が続きますように、優しい彼らがそのままの優しさを持ったまま生きていけますように。そう願いながら、来週もまた『フロイニ』を楽しみに、私は日常を過ごすのだ。