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人生の思い出づくり。友人に会いに福島県・西会津へ~1日目

「ここから見える景色がめっちゃ綺麗なの。natsuminと一緒にこの景色が見られたらいいな」

友人のこの一言で、福島に行くことを決めた。

福島の西会津にあるエコビレッジで、ボランティアとして働きはじめた友人とは、約1年前にオンラインスクールを通じて知り合った。同い年で、同じ名前、似たような感性をもつ彼女と出会ったのは本当に奇跡だと、いま振り返っても思う。

福島は、私にとってなんのゆかりもない土地。だけど、彼女がいるだけでなんだか特別に見えてくるから不思議だ。

なにがあるかな、なにを見れるかな。彼女がみている景色はどんなものだろう。知りたい。

尊敬する人が言っていた。人生は思い出作りだと。それなら、私は躊躇せずに会いに行きたい。お金とか時間とかコンディションとか、行かない理由はたくさんある。それでも、いましか体験できないことは本当にあると思うから、行きたいと思った自分の直感に従うことにした。

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なるべく早く福島に行きたくて、東京に前乗り。バスタ新宿から、高速で約8時間で会津若松駅に到着。3連休初日の渋滞で、予定以上に時間がかかってしまった。赤べこさんがお出迎え。

快晴の会津若松駅

赤べこを通りすぎ、ホームへ。40分後に発車、ゆっくり待とう。これも旅の醍醐味だ。

2番線に乗る。間違えないよう、何度も確認。

会津若松駅から喜多方駅までワンマンカーで移動、降りたら代行バスで50分。目的地は野沢駅。7月の大雨で橋が決壊してしまい、野沢駅へは直通電車で行けなかった。自然には勝てないなあ、私たちがコントロールできるものなんてわずかなものだ。

喜多方駅に向かうワンマンカーにて。大自然!
座席がふっかふか。

野沢駅に友人が迎えにきてくれた。甘いものが食べたくて、早速カフェへ。

カップルで運営するヴィーガンカフェ。甘さ控えめのくずプリンが美味しい。コーヒー豆にもこだわっていて、カウンターには仕入れ農家さんの生い立ちやこだわりが書かれた冊子が置かれていた。ついついあると読んでしまう、人生のドラマは面白い。

甘さ控えめくずプリン。旅の疲れが溶けていく。

外に出ると、可愛らしいお花が咲いていた。小さなさくらんぼみたい。

ころんとした謎の赤いお花を発見。

甘いものを堪能したあとは、駅近くの温泉『ロータスイン』へ。長旅お疲れ様、疲れた身体を癒してねと友人が連れて行ってくれた地元の方が集まる温泉だ。ところどころで会話が生まれている、憩いの場なのだろう。

地元の方に愛される温泉『ロータスイン』
神聖な雰囲気…

温泉で疲れがほぐれ、サウナで身体を整えた。いまのこと、これからのこと。お互い別の場所に住んでいる私たち。

定期的に連絡はしているけど、同じ場所で顔を合わせながら会話をするのは今回で3回目だ。まだまだ片手で数えられるくらいなのに、ずっと当たり前にそばにいたような懐かしい感覚が不思議だった。出会うべくして出会ったともいえる。これからの人生でそんな友人に、あと何人出会えるのだろう。

温泉帰りで、浮かれる友人。笑

18時過ぎに、今回宿泊する『Dana Village』に到着。夕方からこのほの暗さ。夜すっと眠れるように、この時間から身体を整えるらしい。普段眠る数分前まで蛍光灯の下で、パソコンをいじっている私からしたら、革新的だった。

携帯もパソコンも触るのが不自然なほど、人間としての暮らしに還っていく感じがした。

木の温もりを感じる。
どうしてこんなに落ち着くのだろう。

お部屋に案内してもらい、ふと自分のベッドを見ると、あらかわいい家主さん。名前は『ねっこ』、猫のねっこだ。もふもふ。

知らない土地に来て、知らず知らずに張っていた気が、この子のおかげでほぐれた。ありがとう、ねっこ。

あ、にゃんこさん…

恐る恐る触ってみる。あれ、拒否されないぞ。人懐っこい…ふわふわ。いや、ふわっふわや…。布団が敷けない、でもかわいいから許しちゃう。

目があった

私の意思が通じたのか、のび~っとしたあと、ベッドから降りてどこかに行ってしまった。気ままなところがかわいいのよね。

のび~る

荷物を置いて、再び居間に。トマトに瓜に、いんげんみたいなのもある。トマトも同じ赤じゃなくて、紫っぽい赤もあって、個性があって面白い。大きさもバラバラで、つやつや。のびのび大切に育てられたのだと感じる。ひとつひとつ手作業だから、自然と想いがこもるのだろう。

収穫した野菜たち、見たことのない種類も。

夜ご飯を作ってもらっている間、紫ほおずきの選別。日本ではあまり見ない食材!トマトくらいの大きさなんだけど、色は茄子っぽい。表面がべたべたしてるんだけど、これは無農薬で育てている証拠らしい。

30分くらいで、3ケース選別。翌日も選別して、腐ったものを取り除いていく。ひとつでも腐ったものが混じってしまうと、お客さんのところに届く間に、ほかの野菜も腐ってしまう可能性が高いからだそうだ。

紫ほおずきの選別。貴重な体験ができた。

よし、選別終わり!ぐんっと背中を伸ばすと、近くにねっこ。はみ出たお腹が愛しい。

狭い場所でちょこんと座るねっこ

夜ご飯はパスタ。ソースは手作り、スパイスでピリッとした味付け、初めての味で美味しい。ヴィーガンフードはシンプルな味付けのイメージがあったけど、こんなに満足感があるんだ!麹を使った即席キムチや、採れたての野菜を焼いたものも食卓に並ぶ。野菜自体が美味しい。お料理の写真撮ればよかった…!

夕食後は手作りのハーブティーを、鉄瓶で沸かしていただく。これもまた美味しい。手をかけたものをいただくって幸せだ。

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満腹で、心も満たされて、気づけば22時。外からは虫の音が聞こえる。おばあちゃんの住んでいた家を思い出して懐かしくなる。

さあ、明日は田んぼの草とりで5時起きだ。もう寝なくっちゃね。

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