フライトノベル・サンドイッチ

 その日、と言っていいのか分からないが、とにかく俺は愛しのハニーを助手席に乗せて車を走らせていた。時刻は早朝の五時半だったというのに、チラホラと車の姿があるのが恐ろしかった。何故かと言うと、この世には早朝の五時半に人に仕事をさせる会社があるということだからだ。
 では、どうしてこの非人道的な時間帯に俺とハニーは道路を走っているのか?それについて説明させてくれ。
 まず昨日の夕方、バイトを終えた俺とハニーは、明日は休みだからと、スパゲティと酒を煽りながらアパートで借りて来た海外ドラマのDVDを一シーズンほど調子に乗って一気に見た。それから俺はハリウッド映画のパチモノみたいなクソ映画を見て、あまりの下らなさに大笑いした。
 ところが本編よりもスタッフロールの方が情報量の多いあの映画に、愛しのハニーはダイヤモンドの涙を流しやがった。そして大笑いする俺を責めやがる。ハッキリ言って、酒が入っていなかったら俺は笑うど【続く】

#逆噴射小説大賞 #小説 #逆噴射プラクティス  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?