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ふたりの日々

重たい灰色の雲が空を覆っている。まさに「どんより」という表現がぴったりの景色だ。吐く息は白く、凍えそうな空気が頬に痛い。春の訪れはまだ感じられず、たまにうっすらとさす日差しは、すぐにまた分厚い雲にかき消されてしまっていた。

そんな冬空の下、私たちは近所の川沿いの遊歩道を二人並んで歩いている。手にはたくさんの食料とお酒が詰まった袋を携えながら。つないだ手はひんやりと冷たい。「寒い、寒い」と言いながら、私たちは帰路を急ぐ。

そこにあるのは暖かな部屋、温かな食事、とりとめのない会話とすすんでいくお酒。

なんてことのない、くだらない話でいちいち笑いあう。たまに少しのケンカもして。でもしばらくするとどちらからともなくまた話し出す。そうしたことのすべてが愛おしい。

数ヶ月前、自分の人生にはもはや起こらないと諦めかけていた事。それが今こうして私の目の前にある、その幸せ。だからこそこの日々を大切に想う。先のことは誰にもわからない。私にもあの人にも。今わかるのは、お互いがお互いを必要としていること。共に過ごす時間が楽しくて、幸せなこと。それさえわかっていればいい。

この日々を積み重ねていくことが、私たちの未来を創りあげていくことになるのだから。

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