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12皿目 “仙人にも愛してほしい?! 王道の一皿” 浜田屋食堂|元気の出るカツカレー

取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。


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仙人にも愛してほしい?! 最高の一皿

山梨県上野原市にある旧野田尻宿は甲州街道の宿場町。日本橋から数えて15番目の宿駅でした。こじんまりした宿場だったようで、今もひっそりと素朴な町並みではありますが、どことなく街道の面影を残しています。道沿いに、商家や旅館らしき建物が点在しています。


野田尻宿の石碑と案内板
どことなく街道の面影を残す通り


野田尻宿から旧甲州街道を西に向かって車で20分ほど走ると、現在の甲州街道・国道20号線に合流し、中央本線鳥沢駅が現れます。この日のお昼はこのあたりで……。スマホで探してみると、浜田屋食堂という良さそうなお店を見つけました。創業100年だそうです。



和風の店の前でたなびく幟には「天丼」の文字。ネットの書き込みでも天丼を注文した人が多いようでした。じゃあ今日は久しぶりに天丼でも、と店内を眺めていると……



「カツカレー」の文字が目に飛び込んできました!

こうなるともう、隣に貼ってある「仙人の愛した味 浜田屋の天丼」のポスターも頭に入ってきません。「天丼は最高の味」「天丼とっても美味しかったです」という著名人の色紙だってどこ吹く風です。全く気になりません! カツカレーひとつお願いします!

料理の到着を待っている間に店内やメニューを見ていると、どうやら天丼に使われている野菜は裏の自家菜園で採れたものなのだそうで、その昔、高畑山に住んでいた仙人が絶賛したという当地の野菜をふんだんに使っているのが、「仙人の愛した天丼」の由来なんだそうです。仙人さん、カツカレーはお気に召さなかったのでしょうか。そもそもカレー食べるのかな……。



インドの修行僧のような風貌の仙人が、白い髭をカレーで汚しながら夢中で頬張るところを妄想していたら、やってきました今日の一皿。うーん、これですよこれ。王道をゆく見た目は100点! 色、ツヤ、そしてカレーがご飯とカツにかかる割合まで、完璧です。ポテトサラダがついているのもうれしい心遣い。
さっそくひと口……甘くてとってもフルーティ。とろとろの飴色玉ねぎが効いているみたいです。
カツの厚さは1cmほどでしょうか。サイズも十分。脂身のバランスがちょうど良く、美味しくいただきました。

この味ならきっと、仙人も愛してくれるはず。いつかカレーも食べてくれるといいなあ……(と言いつつ、私は次回は天丼を頼みます)。


浜田屋食堂
山梨県大月市富浜町鳥沢1959
0554-26-5358



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