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18皿目 “飾らないレトロ食堂の実力” 食堂さとう|元気の出るカツカレー

取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。


飾らないレトロ食堂の実力

奥入瀬渓流は、青森県と秋田県にまたがる十和田湖から流れ出た奥入瀬川の渓流。十和田八幡平国立公園に属しているほか、国の特別名勝、天然記念物にも指定されています。
渓流沿いには自然遊歩道が整備されていて、水面との高低差が少なく、あまり起伏もないため、四季折々、さまざまな表情を見せる壮大で豊かでディープな自然を、比較的手軽に満喫することができる貴重なスポットです。

奥入瀬渓流
瑞々しい苔が美しい


渓流があるのは十和田湖の東側、青森県十和田市になります。今回訪れたお店はその十和田市にある「食堂さとう」。国道102号沿い、七戸十和田駅から車で25分の場所にあります。ボリューム満点で昔ながらの飾らない雰囲気が地元の方にも人気、ということで昼食に選んでいたのですが、道すがら“某口コミ飲食店情報サイト”を見てみると、評価もかなり高く、投稿された料理写真はその半分以上はカツカレーではないですか! ラーメンから焼肉定食、丼ものやハンバーグまであるのにこのカツカレー率は尋常ではありません。これは挑むしかないでしょう!


ということで到着しました、食堂さとう。さとう食堂ではありません。倒置法にご主人のこだわりを感じます。外観はいたって普通ですね。


店内はカウンター、小上がり、テーブル席。時間が早かったため、まだお客さんはいませんでした。
テーブルの上のメニューは一瞥しただけですぐにカツカレー850円を注文。空腹の時、ここで他のメニューのことを考えてはいけません。迷いが出てしまいますから。


10分ほどで、やってきました。福神漬けが真っ白なご飯の上に鮮やかに輝く、見た目は王道のカツカレー。やはりこういう食堂にはこの銀色のカレー皿が似合いますね。
カツが真ん中にドン! と鎮座していて、白と茶色を左右に明確に分けています。さりげないですが盛り付けがとても綺麗ですね。
逸る心をおさえつつ、まずは味噌汁で口をしめらせ、胃も落ち着かせます。


では、早速カツを……。揚げたてサクサク、衣はうすめ。肉はほどよい厚さで歯ごたえも絶妙です。カレーはさらっとしていて、かなり甘く、野菜が溶け込んでいるのが想像できます。カツの上で、かろうじて形を留めている玉ねぎが愛おしいです。自ら長時間かけてキツネ色になって、カレーに甘みをもたらしてくれた玉ねぎくんに感謝しつつ、全て平らげました。

お皿が意外と深いのか、はじめに見た印象よりずいぶんとボリュームがあり、かなりの満腹となりました。ごちそうさまでした。
この見た目、味なら、口コミでカツカレーを投稿したくなる気持ちがよくわかります。実は、オムライスやナポリタンも気になっていたのですが、きっと次もカツカレーを頼んでしまうのでしょう……。


食堂さとう
青森県十和田市三本木稲吉15-217


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