7皿目 山の中で自然の恵みを味わう―Aelu|元気の出るカツカレー
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山の中で自然の恵みを味わう
鳥取県との県境に位置する奥津温泉は、岡山県鏡野町で古くから親しまれる、素朴な山間の温泉地です。美人の湯として知られていて、湯郷温泉、湯原温泉と共に「美作三湯」のひとつに数えられています。
静かな温泉街なので、旅館を除くとお昼の選択肢もそれほど多くはなく……目についたのは、「里山レストラン」という看板。どうやら、日帰り温泉施設に併設されたレストランのようです。
店内も木目を基調にしたあたたかみのある空間で、ゆったりしています。
(食事のあとに見たのですが、団体専用の立派な会場もあり、まるでコンサート用ホールのような空間でした!)
契約農家さんで作られた無農薬野菜をふんだんに使った、郷土の旬を味わえる料理が自慢のお店とのこと。おすすめランチで決定かな……と思いながらメニューをめくると。
「New」マークがついた新メニューがあるじゃないですか。チキンカツカレー。思い返すと、実はあまり注文したことがない気がします。期待が膨らみます。
お昼時だったので店内は満席。待つこと10分くらいでしょうか。やってきましたブラン・ニュー・カツカレー。
まず、チキンカツが意外な形状だったことにビックリ! 平たい、いわゆるわらじ型の「チキンカツ」じゃなく、唐揚げのような立体的な形をしています。それが三つ。
そして素揚げされた野菜。これが地元で採れた無農薬野菜なのでしょう。パプリカ、かぼちゃ、にんじん、自然薯? 何かしらの芋? (バカ舌ですみません)。とにかく見た目も華やかで、予想外の一皿の登場にうれしくなってしまいます。
ルーは少し赤みのあるサラサラタイプ。具はほとんど感じられなかったですが、野菜とチキンカツがゴロゴロドドーンと存在感を主張しているので、これは当然ですね、その方がバランスがいいはずです。メニューに「辛!!」と書いてありましたが、後味でピリッとくる程度で、大人なら問題ない辛さです。ご飯は鮮やかな色のついた穀物米でした。
チキンカツは、衣がすごく軽くてサクサク。そして見た目よりボリューミー。たしか、とんかつは揚げる前に肉をたたきますよね? チキンカツの場合は通常どうなのかわかりませんが、これは間違いなくその工程は経ていません。肉質がふわふわ、ジューシーで、皮の部分はカリカリ。まるで唐揚げ、というかこれはもう唐揚げ……いや、とても新しいタイプのチキンカツでした!
ルーの辛さを感じたら野菜を一口。カツの脂を味わったら野菜で一休み。野菜のやさしい甘みが、食事のサイクルをうまく回転させてくれて、あっという間に食べ終わりました。
窓からのどかな自然を眺めながら、ゆったりと美味しい食事。これが仕事中じゃなく、日帰り温泉でひとっ風呂のあとだったらどんなに良かったか! と嘆きながら、密かに再訪を誓いました。