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【絵画】人物表現における「写実」という問題

このnoteでは、人物表現における「写実」という問題について、肖像、似絵、陰影法、写真の 4 つのキーワードから紐解いていきたいと思います。

1. 肖像

 ① 肖像とは

まず肖像ですが、これは特定の人物を表す画像、彫像、写真などを指し、また古代以来美術の重要なジャンルとされているものです。

肖像の機能は、個人を特定することですが、その個人は主に尊崇・呪詛の対象とされています。呪詛もその対象となるのは、肖像を描かれると魂がとられる、という考え方から基づいており、敵の大将を描くこともありました。

また、肖像の基本にあるのは「肖似性」であり、どういう描き方で似せるか、ということが重要なポイントとなっています。

その描き方は多様性に富んでおり、例えば、渡辺崋山は肖像画を立体的に、写実でもって描いたのに対し、東洲斎写楽は描く対象の人物の”その人らしさ”を誇張することによって真を描きました。

渡辺崋山《鷹見泉石像》

東洲斎写楽《三世大谷鬼次の奴江戸兵衛》

 ② なぞらえ

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美学・芸術学専攻
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