冬眠

   そうか、これは冬眠か。毎年この時期は気分が落ち込み、インスピレーションがカチンコチンに凍りつくような気がしていたのだが、ようやく納得いった。仕事から帰ってきて大して疲れもしてないのに、万年床に飛び込む。イヤホンから流れるみうらじゅんの説法を点滴のように摂取して、歯も磨かずに就寝する毎日。快適な生き地獄。

   何も知らないなぁと実感する今日この頃。特にスポーツと芸能関係。劣等感がすごい。ドラフトの意味もわからないし、スターウォーズも見たことがない。なのに博識ぶりたがってしまう。だめだ。もうダンブルドアの話題が出た時に、知ってる風愛想笑いとかしたくないんだ俺は。

   このように創造的な生活が送れていないと、悪いところばっかりに目がいきがちになる。穴あきの風呂に水を溜めてるみたいに、こんなん何やっても無駄やわーとなり、またテンションが落ちるわけだ。だけど冬眠なんて大義名分を与えるとちょっとは免罪符代わりになるわけさ。肌艶だけが良くなる日々。綺麗な顔してんだろ、死んでるんだぜ、これで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?