宿題のこと

宿題…………嫌な響きですね。

思わず眉を寄せてしまいます。

学生を卒業し、もう関わることはないと思っていました。

まさか、こんなところに伏兵がいるとは。

思い返せば

あの夏休み。

最後の日に大物を残したがために、徹夜をした夜。

あのゴールデンウィーク。

宿題をしただけで終わった短い夢。

あの冬休み。

かじかむ手でノートに鉛筆を走らせた。

そして、あの春休み。

風邪を引いて、手付かずの宿題の山。

何度泣かされたことか。

宿題にいい思い出なんてありません。

え? 計画的に終わらせた?

ふ、文花だって計画は立てたのですよ!

一時間刻みで!

少しでも狂うとやる気が無くなって、計画通りにいったことなんてありませんでした。

高校生くらいになれば、流石に「これじゃ駄目だ」って気付きましたね。

計画のことは以前、詳しく語ったので、良ければ見てやって下さい。

学校ですもの

自動車学校にもあるのですね、宿題。

以外でした。

内容は試験と同じ、文章の正誤を答えるものです。

これがなかなか難しい。

絶妙な間違いを見逃さないように目を凝らし、何度も読み直します。

すごく…………すごく、疲れます。

正直に言っていいですか? いいですよね?

めんどくさーい!

だるーい!

わああぁー!

…………。

こほん。

以前にも書きましたが、文花は失敗が怖いです。

それには「間違える」ことも含まれます。

この宿題は、間違えない、つまり全問正解は狭き門です。

文花の嫌なことを的確に突いてきますね…………。

勿論、教科書を全て理解していれば解けるでしょうし、必要です。

理解していない人が運転しているなんて、怖いですよね。

むー…………。よし。

やってやろうじゃないか!

教科書一冊、理解すればいいのでしょう!

この、情報がぎっしり詰まった三百三十五ページを。

……………………え、無理では?

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