19世紀末の飛行船騒動 5

◆大発明時代

 この時代は皆さんご存知の通り、様々な発明家が現代に繋がる発明・実用化を行っている。
 トーマス・エジソンやニコラ・テスラは有名だし、ライト兄弟もこの頃はグライダーの研究をしている。
 幽霊飛行船の話には、兄弟も教えを受けたというオクターブ・シャヌートが関わっているという噂もあった。

 稲生平太郎さんは「実用に耐える飛行船が初めて試験飛行に成功したのは1901年のことで」と述べているのだが(これはフランスでのサントス・デュモンの6号機の成功を指している)、その前段階の飛行船はどうだったんだろう。

 1852年9月24日にはフランスのアンリ・ジファールが蒸気動力の飛行船で27kmの距離を飛行した。1872年12月13日にはドイツのパウル・ヘンラインがガスエンジンの飛行船を時速19Kmで飛行させた。
 1883年10月8日にはフランスのガストン・ティサンディエが電気モーターを動力とする飛行船を飛行させた。1884年8月9日、フランスのシャルル・ルナールとアルチュール・クレーブスのラ・フランス号は23分間で8kmの距離を飛行した。
 1888年8月10日、ドイツのフリードリッヒ・ヘルマン・ヴェルファートの飛行船は内燃機関を積んで10kmの距離を往復した。1897年に飛行したダービッド・シュバルツの飛行船は、アルミニウムの骨組みにアルミニウムの薄い板を貼った、先の尖った円筒形で、1896年にはガスは入れていないものの完成していた。
 1900年にはドイツのツェッペリン伯爵のLZ1が初飛行している。

 アメリカの国内の例で言えば、1864年6月1日にはアメリカでソロモン・アンドリュースが無動力の「操縦できる気球」を作り、飛行に成功した。
 1869年カリフォルニアに移住したイギリス人フレデリック・マリオットはサンフランシスコで、長さ35フィートの無人蒸気飛行船「ハーミーズ・アビエイターJr」を時速5マイルで飛行させた。マリオットは翼のある蒸気飛行船の製作を計画していて、絵も描かれている。
 1876年のフィラデルフィア万博ではチャールズ・リッチェルが一人乗りの人力飛行船を飛行させた。何機かが作られボストンなどで何度も飛行したという。
 1891年3月7日のサイエンティフィック・アメリカンにはエドワード・ジョエル・ペニントンの設計した飛行船が載った。
 20世紀に入って1902年9月30日に有人型動力付き飛行船を、アルバート・レオ・スティーブンスが飛行させるが、その名はペガサスだった。「全米UFO論争史」によると1897年にはスティーブンスは動力付き飛行船を製作しているという。
 現代の目で見れば決して「成功」ではないにしろ、かなり成功に近づいていたのでは無いだろうか。

 一連の事件の前の1896年9月にはC・A・スミスという人物の飛行船の資金集めの広告記事が載った。
 また当時の「サイエンティフィック・アメリカン」に載ったモーゼス・コールの飛行船(1886年11月9日特許)は四方に4つのローターを備え、有名なあのカリフォルニアでの目撃のイラストにそっくりであった。

 こうやって並べるてみると、実は「幽霊飛行船」はこの個人発明家の時代にしかあり得ない、現代からすれば「来なかった未来」だったのではないだろうか?

つづく

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同人誌サークル「かんきゅう舎」代表。「Spファイル」「UFO手帖」参加者。台湾のオート三輪「鐵牛車」の他、ブルートレインブーム、文化的側面からの空飛ぶ円盤など研究しています。

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