読書感想文対策

 読書感想文は私も苦手である。しかし最近色々、なぜ読書感想文が書けないのかについて書かれた文章が色々回ってきた。少しその謎について解明できそうである。

1.どこかの何者かになってみる

 感想文が書けない理由の一つは「感想がないから」だ。なぜ感想がないのか。それはまだあなたがどこの誰でもないからだ。
 どこの誰でもないというのは別に馬鹿にした言い方ではない。ニュートラルだから誰にでもなれる可能性を持っている。それは良いことだ。でも感想がない理由もまたそこにあるのだ。
 例えば熱心な巨人ファンが、巨人が負けた試合を見ると、そこに「監督の采配ミスだ」などの感想が生まれる。理不尽な差別をされた人は理不尽な差別に怒りを覚えたりする。腐女子なんかあらゆる作品から「関係性」という感想を考えたりする。
 これを応用して、例えば「ポリコレが正義の人」になってみるのもいいかもしれない。ポリコレは割と先生ウケがいいからだ。何にでも理解のある人間より不満を持っていた方が感想は書きやすい。
 あと、古い、評価のある作品を現代の常識に照らし合わせて叩くのは快感でもある。
 正義以外に悪の立場に立ってみるという手もある。作品に出てくる「悪役」の立場で「わかるなあ」と思う事は誰しもしばしば感じる事だ。悪役を主役にしたスピンオフ(かいけつゾロリなんかそうだ)もよくある事だし。
 感想なんて、ポジション、立場で全然変わるのだ。

2.自分で話を作ってみる

 おいおいと思われるかも知れない。しかしこれが結構楽だし、楽しい。例えば「我輩は猫である」という作品がある。「我輩は猫である。名前はまだない」とか言いながら、途中で「黒」と呼ばれているあれだ。「猫から見た人間世界」というだいたいの内容はすぐ検索で見つかると思う。
 なので、そこまで書いたら、あとは自分で作ってみるのだ。「うちの猫だったらどう書くか」、「犬だったら」、「ハムスターだったら」、「ゴキブリだったら」、「パンダだったら」、「クジラだったら」、「ウナギだったら」、「メダカだったら」、「セイタカアワダチソウだったら」、「ミシシッピーアカミミガメだったら」、「ウイルスだったら」なんでもいい。
 っていうか、こう並べただけでも文字数が稼げたじゃないか。 
 生物というと、絶滅生物の本を選んで、「絶滅しないルート」を考えてみるのも面白い。
 他にも「この小説のメンバーでサッカーチームをやったら」などのかなり無茶な話を「感想」として書いても、割合、許してもらえるもんだと思う。 

3.自分の事を書く

 自分の事を書くというのは他の人も書いていたが、ネタが無くなった時の常套手段だ。「自分語りやめろ」という言葉はネットに溢れているが、その実、私のnoteではその「自分語り」をやった時の方が、普段より抜群の閲覧数を叩き出したりする。みんな実は「自分語り」が好きなのだ。
 作品の中の適当な部分をピックアップして、自分だったらこうはできないなあでも、自分が同じような経験をしたときはこうならなかったなあでも、こんな女の子が友達だったらいいなあでも、この言い回しが良いから自分でも使いたいでも何でもいいのである。生きてるうちに考えが変わるのはよくある事だし。

 割とウケがいい締め方は「こんな風に生きたいと思います」だが、ありふれすぎているんだよなあ。

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