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鉄道趣味論

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鉄道をめぐる趣味と、それを発信していく事について雑に考える
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#国鉄形

旧型客車は自由だ!2

 旧型客車がいくら自由だと言っても、一応「それらしさ」を表現する場合に必要な知識はある。

 スハ43とオハ35だとスハ43の方がちょっと上。とか、オハ35よりさらに古いスハ32は追われる立場だったとか。そうすると、スハ43を増やした方が幹線筋の急行っぽいかなとか、オハ35やスハ32で編成を組むと国鉄末期設定ならローカル線かなとか考えられる。
 あ、編成の最後尾はだいたい緩急車ね。

 あと戦後の

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旧型客車は自由だ!

 旧型客車の編成の組み方が自由と言われても、よく分からないという話があった。基本的には荷物車は編成の一番前か一番後ろ、グリーン車や寝台車は機関車のすぐ後には付かない場合が多いという位だろう。

 例えば、「10系客車だけで編成された列車はほとんど無かった」という話があるけど、模型なのだから編成の美しさを優先して「それもあり」にした編成例が山崎喜陽さんの『鉄道模型』(保育社 カラーブックス)には出て

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嫌いな架空車両

 好きなものがあれば嫌いなものもある。自分の嫌いな架空世界の鉄道車両って何だろう。

 下手とか技術が追い付いていないというのは許せる。それはスタイリングを考える事とちょっと違うからだ。

 やっぱり、せっかくの架空世界で、しかも旧国鉄(あるいはそれに準ずる組織)が存在している世界なのに、現実のJRの車両の塗装が違うだけの車両を出している場合だ。残念だし、すごくもったいない。何のために舞台設定を考

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アニメの113系が話題に

 ツイッターの方でアニメに登場した113系らしき画像がRTされてきた。塗装は横須賀線や千葉地区のものだが、両開き2扉で現実世界では製造されなかった仕様である。

 鉄道好きというと、2次元作品でも実物と同じでなければいけないという派閥も確かに存在するが、私はというと、むしろフィクションの世界なんだからそれに合わせて車両も実物とはどこか異なると考えている。

 この場合、国鉄で直流で両開き(多分固定

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またまた架空国電について

 国鉄のいわゆる「80系電車」、「湘南電車」だけど、その最初にデビューしたものは、「湘南タイプ」の前面2枚窓ではなく、3枚窓で、モハ(クモハ)51辺りを少しスマートにして非貫通にした感じだった。

 2枚窓になってからも、窓枠のあるタイプからHゴム支持になったりと変化がある。最初の3枚窓のタイプも結局Hゴム支持になったり。

 で、これが80系の一族である荷電のクモユニ81に採用されていたらという

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修善寺行き踊り子からの185系撤退はいつか?

 JR各社のダイヤ改正に対して、自分があんまり興味を持てなくなってきたのは、年寄りの証拠だなと思う。
 東海道新幹線から700系が引退したり、スーパービュー踊り子が引退したりという事だが、この辺はまるで思い入れがない。
 職業ライターなら、なんとかひねり出して書かなければならないが、趣味は気楽である。

 むしろ、修善寺行き踊り子の185系が残ったというのが興味深い。改造が間に合わなかったとかなん

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続アコモ改良車

 アコモ改良車は結局72・73型だけで終わった訳だが、考えようによっては機器流用である717系、413系もその発想は同じようなものと言えなくもないと思う。
 発生した余剰の急行電車に両開き2扉の新しい車体を載せた訳である。

 特に興味深いのは九州向けにあった900番台で、急行型の車体中央部に両開き扉を追加して3扉としている。まるで旧型国電のサロを格下げした時に使った手法のようだ。
 その割には新

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50系客車から自由に考えたり

 50系客車というのは国鉄末期に登場して、あまり活躍できないまま消えてしまった感じがある。

 もともと国鉄ローカル線で通勤通学需要が結構ある場合、それは客車列車が役目を担っていたと思う。朝と夕方に長めの編成を投入する。他で使ったものが流れてきた場合が多かったと思う。60系客車は最初からローカル線とか聞いた事もあるけど。
 用途としては通勤通学だけど、駅間距離があるから、着席数が多い方が都合が良か

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国鉄最後のノスタルジー

 先日ネットでキハ40系(確かキハ47)の急行色に塗り替えた車両に「ノスタルジー」というステッカーかなんかが貼ってある写真を見て笑ってしまった。
 昔のブリキのおもちゃの鉄人28号にわざわざ「鉄人28号」と書いてあるみたいで。

 いや確かに「とりあえず最後のノスタルジー」なのかもなと思う。

 いわゆる「ブルトレブーム」の後、各社から国鉄ローカル線の本が出たけれど、そこで主役に躍り出ていたのがキ

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「みんな知ってる鉄道車両」の終焉

 Nゲージ鉄道車両の少なかった頃、マックス(グリーンマックス)のプラキットは、その車種を出来はともかく(つまり作成する腕に左右される)増やすのに貢献してくれた。

 今、こういうのはどうだろうと考えた所で愕然とした。昔は「みんなが知ってるけど模型になっていない」車両があったけれど、今は好きな車両が年代で分散していて、かつ地方で分散している。
 旧型客車は(うるさく言わなければ)全国区だった。旧型国

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電気釜

電気釜



 過去のデジカメ画像を漁っていたら、長野に行った帰りに時間がまだあるからと撮った「妙高号」の画像が出てきた。今や貴重な記録だ。

 すでに北陸新幹線の試運転は開始されていたと記憶する。

 これがあの183・189系最後の撮影になるんじゃないかとも思ったが、たまたま機会があってその後も撮っていたりする。

 ただ、それらはトレインマークは無かったりするんだけど。

「電気釜」という呼ばれ方は、

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鉄道雑誌について、知ったような話

 雑誌が売れないとか言いながら、鉄道雑誌はずいぶん種類があるじゃないかと見られる場合がある。実際には○○鉄と呼ばれる言葉があるように、住み分けがあるんだけど。

 例えば「交通インフラとして捉えた鉄道を」となると「鉄道ジャーナル」を読むのがいいし、「鉄道での楽しい旅を」となればずばり「旅と鉄道」がある。この二つは「乗り鉄」向けと言っていい。
 とにかくむちゃくちゃ鉄道に詳しくなりたいならば「鉄道ピ

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アコモ改造車考

 国鉄の62系電車というのがあった。72系電車を地方路線に持っていくのに4扉では需要に合わないから3扉セミクロスの113・115系に合わせた車体を新造したものだった。(台枠と機器は流用)

 ここまではいいのだが、実はこれは後が続かなかった。旧型国電の地方路線向け改造車はずっと後のクモハ84(正確には改造の改造か)までナシになる。その間に地方路線向けの新形式105系も生まれている。119系や107

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「鉄道ブーム」と言っても

 少し落ち着いた感じもするのだが、「鉄道ブーム」と言われた事があった。
 実際にはどうなのだろうか? どうもちょっと違う気がするのだ。

 一つは、実態は「マニア観察ブーム」じゃないかと思うのだ。「ブラタモリ」が面白いのは、観察しているのがタモリだから面白いのであって、それをまた視聴者として観察しているから面白いじゃないか。
 鉄道だってそうで、タモリ倶楽部の鉄道回もそうだが、カメラマンの中井さん

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