南のシナリオ大賞・大賞を受賞しました。

南のシナリオ大賞というラジオドラマコンクールの大賞を受賞しました。
受賞したのは、「はるしぐれ」という作品で、深夜バスで東京から博多に向かう男女2人の会話劇です。

※受賞コメントとあらすじは、こちらからご覧頂けます。

去年の5月頃から脚本を始めましたが、ラジオドラマをしっかり書いたのは、この作品が初めてでした。
ラジオドラマの存在自体は知っていたのですが、どう書けばいいかも分からず、応募する機会を逃していました。
ただ、自分の作品を読んでくださっている方から、「会話が面白いんだからラジオドラマ書けばいいのに」とアドバイスを頂き、「そうなのか?!」と素直に受け止めて、この作品を書きました。

元々ストーリーテリングの才能があまりないタイプの人間なので、自分が好きな『深夜バス』『雨』『片耳ずつのイヤホン』『パーキングエリアの熱すぎる解凍焼きおにぎり』などの素材が持っている質感を大切に、会話を編んでいくイメージで書きました。
今まで書いてきた作品の中でも、自分の好きなタッチで、好きなものが描けたような気がしています。

今回、受賞を知らされて気づいたのは、

選ばれるには、自分が面白いものを全力で書くしかない。

という(一見すると?)当たり前のことです。
今回、僕はとにかく好きな世界観(深夜バス)における好きな物語(会話劇)を書きました。それは、『自分が好きなものを書ければいいんだ!』という開き直りも多少はあるかもしれませんが、むしろ『自分が面白く書けるのは、そこなんだ』という気持ちでした。

この賞ではシリアスなものが何回も選ばれてるからシリアスなものを書こうとか、この賞では家族ものでほろっと、とか。
少なくとも僕には、そうしたお話をコンクールに合わせて書き分ける技術がないようで、そういう思考で書いたものでうまくいったことはありません。
もちろん、できるに越したことにないのですが、できない以上は、自分の『面白い』を信じて書き、それを面白がってもらえるかどうかに掛けるしかないと感じました。

実際、ホームページで公開されている審査会ドキュメントをみると、賛否は分かれていたようです。最初はこの事実に若干落ち込んでいたのですが笑、よくよく考えれば、自分の面白い!を全員が面白いと思ってもらえるなんてことはありえないな、と思い直しました。
技術的に足りない点や、明らかに不足している部分もあるのかもしれませんが、やはりそうしたマイナスを埋める作業よりも、意識すべきは強みを生かすことなんじゃないかと感じました。マイナスを見つめすぎると、歩くのが嫌になるし、マイナスに飲み込まれて創作の歓びが消えてしまうのが何よりも怖いことだと思います。
だからこそ、今回、自分の好きなものを見つめて、それで書き切れたことは誇りに思おうと思いました。

まだまだ先は長いです。
ですが、こうしてnoteやTwitterを読んでくださる皆さんをはじめ、拙い脚本でありながら喜んで読んでくださる方、家族、大尊敬する脚本家の方々、受賞を決めて下さった審査員の方、全ての方の存在があったから、少しずつ歩き出すことができています。本当に心から感謝しています。ありがとうございます。

書くことは手を挙げることで、手を挙げるのは恥ずかしいことです。
当てられて間違えるのも恥ずかしいし、当てられず無視されるのも恥ずかしいです。だけど、手を挙げなければ、選んでもらえることはない。
なので怖いですが、これからも手を挙げ続けようと思います。

本当にありがとうございます。

※追記
この作品は、ラジオドラマとして後日、ネット上でも聴けるようになります。その際はぜひ、お聴きいただければと思います。
こちらからお聴き頂けます。

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