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#007. ダイバーシティは、目的か手段か.

戦闘単位として どんなに優秀でも
同じ規格品で構成されたシステムは、
どこかに致命的な欠陥を持つことになるわ。
組織も人も、特殊化の果てにあるのは、
緩やかな死……それだけよ。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊


(1) ダイバーシティとは.

地球に住むようになってから
20年以上が過ぎますけれども いまだに

 ブロックチェーン = 仮想通貨

のように

 ダイバーシティ = 女性活躍

と思われている方々が、一定数、いらすように思います。


労働組合の活動をしていても
ダイバーシティと云えば
「女性執行委員むけ研修!」が大半で
あとは、LGBTや SOGI の講座が開催される程度。


たしかに、最も身近に存在する多様性の一つである
「男性」「女性」に、その企業が 向き合えないならば

さらなる少数派(マイノリティ)への
取り組みなんて 出来るわけないじゃん?

と言われれば、Yes、その通りかもしれません。

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(2) 企業と従業員.

会社や企業の「従業員を雇う側」の観点で考えますと
従業員は、出来るだけ似た 規格やスペックに
揃えておく方が ラクです。

交換しやすいから。

良いとか 悪いとかではなく、
私のように 何者にもなれなかった人間が
会社勤めするなら、それが世の理です。


StarWarsのクローントルーパのごとく

突撃しろと下命されれれば突撃し
退けと下命されれば撤退し
オーダー66が発動されればJediを撃ち
鬱病になるまで仕事しろと下命されれば仕事している兵士が
会社にとっては、便利です。

交換しやすいから。


男性社員のみで構成すれば 女子トイレ要らない。

たばこ吸わない社員のみで構成すれば 喫煙所 要らない。

信仰を気にしなければ 社員食堂のメニューを気にしなくていい。

健常者のみで構成すれば バリアフリーを気にしなくていい。

全員同じスペックで、同じ勤務条件なら
給与を年次で 一律上げておけば 文句言われない。

工場で大量生産する方が、
一つひとつ手作りするよりもコスパが良い。

需要と供給と、利害が合致する。
未来のテンプレートを提示して 夢をみさせる。

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(3) 自然界の多様性.

自然界には、様々な生物がいます。

現在の生物が生きているのは、

「種」の中においても個体差があり、
「生き延びる可能性が低い個体」が 淘汰されて
「生き延びる可能性が高い個体」が 残った、

偶然の結果なのです。

地球上に
「環境の変化」なるイベントが 不定期に発動するとします。

「環境の変化」への耐性が 20%の生き物(個体)に対して
イベントが3回発動されると、生き残る確率は、
0.2の3乗 = 0.008、つまり0.8%です。

「環境の変化」への耐性が 80%の生き物(個体)に対して
イベントが3回発動されると、生き残る確率は、
0.8の3乗 = 0.512、つまり51%です。

だいぶ差があります。

「種」の存続、つまり「全滅しなければOK」の
観点から考えますと「環境の変化」への耐性を
複数準備しておくことが 重要になります。

RPGの4人パーティなら、キャラ毎に
「火」「水」「風」「土」の属性を持たせておく。

そうすれば、ダンジョンを抜ける時に
一人か二人くらい 生き残っている可能性が高くなる
といった算段です。

パーティ全員を火属性にしておくと
敵から ヒャダルコだの ブリザガだのを食らった時
全滅しちゃうのです。

「PSYCHO-PASS サイコパス」のシーズン1、
麦のDNA操作にも 同じことが表現されています。

投資におけるポートフォリオ構成にも
同じことが云えます。

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(4) 目的なの? 手段なの?

ダイバーシティは、
マイノリティの雇用機会を拡大すること、
人材を多様化することにより、企業を発展させること、
「環境の変化」に耐え、企業が存続できる可能性を
高くすることを目的とした 考え方や 戦略ではなくて?


「社の女性管理職の割合が、20%超えるようにしましょう。」

「女性が活躍する企業、イメージアップになります。」

目標設定は、必要かもしれないけれど
いつからか目的は、
ダイバーシティ取り組んでますアピールの手段になりました。

Nortonをインストールするのは、
PCのウィルス対策の、一つの手段でした。

今では、Nortonをインストールすることが目的となって
ウィルス対策の一つであったことが
忘れられつつあります。


違う、そうじゃない。

生き残るための多様性。

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(5) 前提条件.

もし。
男女構成比が 87:13 の企業において
女性管理職を 20% としたいならば

まず、社の男女構成比を 80:20 にするのが
順番として先だと 私は、思います。

それよりも。そうじゃなくて。

たとえば 一つの企業だけで 20%を達成するのではなく

世の中に存在する企業、全部ひっくるめて
20%を達成する考え方……

こちらの企業は、従業員1000人で
管理職50人が全員 男性だけれど

あちらの企業は、従業員1000人で、
管理職50人が全員 女性です

あら! 世の中 全体で見れば、
20%どころか 50%達成できましたよ

……

そういう枠での実現方法を
現在の マジョリティ側からも、マイノリティ側からも
許容されて欲しいと思うけれど
Just a ドリーマー なのだと思います。


そして。
このnoteを書いていて 気が付きました。

マイノリティの社会進出を妨げている要因が、
私自身の中にも あることに。
自分が出来ることは、なんだろう。

デモ行進すること?
起業すること?
HR部門にうったえること?
否、きっと、もっと身近に あるはずです。


あなたにとってのダイバーシティは、何でしょう?

あなたの大切な人にとってのダイバーシティ、共有されてますか?


まずは、仲間を探しに行こう。

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有限の人生のお時間をいただき, ありがとうございます. サポート頂けると 望外の僥倖にございます. いつの日も ご自愛くださいますよう.