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私が取締役になった理由

3月1日付で20年在籍している弊社の役員に就任しました。なぜ自分が100人規模の会社の取締役に就任したのか、その理由と経緯をここに記しておきたいと思います。自社で働く社員のみなさんにも知っておいてほしいのはもちろんのこと、会社経営課題に向き合う方々にとっても何かのヒントになればと思います。

入社から現在まで 自分の幸せとは何か

創業家二代目が社長として立ち上げた弊社は、今年20周年を迎えています。一代目が立ち上げた前身の会社は昭和のテレビの黎明期からいち早くTVCMを作り続ける制作会社。二代目がインターネットが出始めた1999年にウェブサイトを制作する小会社を立ち上げ、わたしはそこに新卒社員のWebデザイナーとして入社しました。

入社当時は、大学の卒業制作で発表したSNSのコンセプトをもった作品がデジタルスタジアム(NHK)で取り上げられ、しばらく仕事と並行してプロジェクトを有志で進めていました。
インタラクティブ業界はまだ生まれたてで、YahooもGoogleも日本語版がまだなかったり、FacebookやLINEはまだ姿形がないような時代。本当に無から有を生み出す奇跡の10年をデザイナー、プランナーとして駆け抜けました。

その後の10年。Flash喪失の時代がやってきて、共に働く仲間たちも働き方を変えるなど業界激動のタイミングが訪れます。
さらに2013年3.11。その頃は仕事も充実していて、やりたいことがどんどん仕事で実現していく真っ最中。職場のみんなと被災し自宅まで歩いて帰宅したあの日から、「自分の幸せは、身近な仲間の幸せを叶えること」だと確信を得ることとなります。

35歳で結婚・出産。職場復帰は、会社へ提案して週に3回の出社でスタートさせてもらいました。生後6ヶ月の息子となかなか気持ちも身体も離れられませんでしたが、早く職場に戻らないとならないという義務感と、焦りのようなものも同時に感じていました。
子育ても幸せ、でも仕事も捨てられないというどちらも諦めずに2つ以上の幸せをつかむための模索でした。

(当時の気持ちは、日経DUALで取材してもらっているので詳しくはこちらで↓)


会社を自分ごとする「コーオウンド化」

仕事と子育てのバランスも起動に乗り、自らの立場も会社の中ではデザイナー→プランナー→プランナー兼管理職→営業部門への配属→と変化していく中で、事業継承者問題は社員みんなのモヤっとした課題として存在していました。そして、この20年で社員数も約2倍に増え、社員の顔と名前が一致しない状況が生まれていました。

私の年齢も、入社当時の社長の年齢に追いつきました。広告業界も激変していく最中で、こらからの我々のビジョンとミッションをあらためて見つめ直す機会も与えられ、これからの会社のあるべき姿として
「トップダウンで経営していくという形ではなく、社員全員が自分の会社を自分のものとして考えられる空気を使っていきたい」
そんな思いを社長より何度も伝えられてきました。
そこで会社の自分ごとを叶えるひとつのアイデアとして社員全員が株主になるコーオウンド※化を選択することが決定したのです。私はその仕組みを推進する役割を担うこととなりました。

※コーオウンド 会社の株を社員全員に分配して、利益を社員平等に配当する仕組み。コーオウンドについては細川氏の著書に詳しくあります。


経営と生き方のサスティナブルな交差のために

コーオウンド化を進めるにあたり、ガバナンス構造の変化が必要となります。大きな変化としては、社長の他に取締役として、社員から代表を1名選出しするというものです。
それによって株主でもある社員の声が直接経営に関わっていく仕組みになるわけです。

まさかの役員就任。私に務まるのかという不安よりも今は、新しいことにチャレンジして自身の人間的成長に向かえる期待感の方が大きいです。
今までも誰もやってこなかった道を切り開いていくことに貪欲だった自分を振り返ってみても、クリエイティブ精神で取り組んでいくのが自分のスタイルだと信じやりきって行きたいと思っています。

画像1(今月から始めたお花の定期便。)


なぜ私が取締役になったのか、それは長く務めた会社の事業継承の手段の1つとしてコーオウンド化を決断したからなのです。
こうして、経緯をnoteにまとめてみたことで、これからの自分を鼓舞するきっかけになりました。

ここまで振り返ってみてもわかるように、全くの経営経験ゼロベースな私が社員の代表として役職員になってしまうわけですから、勉強せざる得ないこと山盛りです。このnoteでは自分の学びを記録してきながら、コーオウンド化がどのように進んでいくのか悩み進めていく様子を公開していきたいと思います。




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