見出し画像

初めての海外展示会

今から約9年前の2011年12月に香港で行われた国際見本市において、グッドデザイン賞、通称Gマークを認定する団体が出展したブースに門間屋がその年にグッドデザイン賞を受賞した1アイテムだけを出展させてもらったのが、初めての海外での展示会だった。

その時は、特に本気で海外進出を考えていたわけでもなく、東日本大震災において被災した企業に関しては、日本国内の指定の場所に商品を送れば面倒な手続きや輸送費も含めて全て負担してくれるという、大変ありがたい条件だったため、とりあえず参加させてもらう事にした。そして、香港には返還前の1997年に家族旅行で行ったきりだったので、これまたとりあえず、その後の香港がどんな感じなのかを見てみようかくらいの軽いノリで現地視察も兼ねてアテンドした。まあ、よくある地方の経済団体が会員の中小企業の社長を連れていく、ほとんど観光の海外視察と大差のない感じである(笑)

画像3

実際にそんな軽いノリのままキチンとした準備もせずに3日間の展示会に臨んでしまったから、さあ大変。事前マッチングされていた数件の商談に加えて、会場にやってきた外国人バイヤー達からの商談のお誘いがあったにもかかわらず、こちらは「観光がてら来ちゃいました」的な完全に丸腰商談だったため、条件等を何も決めておらず、当然のことながら商談は全然進まず微妙な空気に。極めつけは、激熱系のオーナーバイヤーの店舗に連れていかれ、行ったはいいものの完全に及び腰な僕に日本製品が如何に素晴らしいかを逆プレゼンしてくる激熱オーナーと、それに対して、早々に帰ろうとする僕のかみ合わない商談であった。それもそのはずで、この時点での僕は、まだ日本国内のマーケットの厳しさを理解していなかったため、海外は東京の次でいいや程度にしか考えていなかったので、正直、海外特に中華系は色々と面倒くさいくらいに思っていたからである。

画像3

今であれば、そうは言っても、両利きの経営的にせめてもう少しキッチリと取り組んでいたことであろう。当時の自分の経営者としての至らなさを痛感してやまない。

ただ一方で、街全体の勢いや行きかう人々のギラつき等、日本では感じることができないただならぬ空気感はヒシヒシと伝わってきた。それと同時に、思った以上に上質な日本製品が流通しておらず、将来的にこれはアリだなと直感的に感じてもいた。

画像3

しかしながら、その当時は、こちらにその気がないので当たり前ではあるが、商談自体の進展はなく、初めての海外展示会は静かに幕を下ろしていったのである。

それから、数年、国内が思った以上に微妙で、いよいよ海外を本気で考えなくてはと思っていたタイミングで、色々な偶然が重なり香港と再会することになろうとは思ってもみなかった。

香港との再会に関しては次回以降で書かせていただきます

画像4



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?