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高校生の就職活動

 娘は大学受験をするつもりのようですが、息子は「就職したい」と言います。
 双子ですので、二人とも受験だとそれはそれで大変ではあるのですが、片方が受験で、もう片方は就職活動となると、これまたちょっとややこしい。

■ 高校新卒の就職活動

 そもそも、自分も妻も高校卒業時に就職活動をしていません。
 身の回りにも、そういう親戚はあまりおらず、思い付くのは自分の母とかだったりしますので、あまりにも時代が違います。
 そのため、高校を卒業してすぐに就職する場合の「段取り」については、全くイメージが湧きませんでした。

 息子については中学を卒業する際、特別支援学校高等部(または高等特別支援学校)という路線が「既定路線」かのようになっていたのですが、その場合の「卒業後の進路」は、学校主導であるかのように受け止めていました。
 実際のところどうなのかは、結果として特別支援学校には進まなかったため、よくわかりません。
 全日制普通科の県立高校に進んだので、「障害者手帳」とは全く関係なく、(あえて「 」書きしますが)「普通の高校生」と同じような就職活動をすることになります。
 そのため、特別支援学校に進んだ人の進路選択にとっては、全く参考にならない話になってしまうのではないかと思います。

■ 学校推薦が大原則

 大卒などの就職の場合には、本人が希望する企業等に直接アクセスしていく形で始まると思うのですが、それでもいわゆる「解禁日」はあります。
 高卒の場合には、基本的に学校の進路指導室などを通して就職活動をすることになり、高校からの「推薦」というか「お墨付き」がないと応募できません。

 高校の新卒を採用しようとする企業等は、ハローワークに「求人票」を出し、企業の提示した条件をハローワークが確認すると、その条件に合致する高校が、その求人票にアクセスできるようになります。
 実際に、その求人票についての「募集」や「応募」は、統一された「解禁日」以降でないとできませんが、それ以前でも公開されれば見ることはできます。

 また、「解禁日」以前であっても、企業は「説明会」や「見学会」あるいは「インターンシップ」などを実施することができますが、採用活動は禁じられています。
 このあたりは、本来大卒でも同じはずなのですが、実態としてはそうでもないような気がします。現在は違っているのかも知れませんが、自分などの記憶では、きちんと守っているほうが馬鹿を見るような仕組と言ったほうが近かったのではないかと。
 一方で、高卒に関してはかなり厳格になっているようです。

 「解禁日」以降、応募することができるようになりますが、基本的に高校からの「推薦」が必要になります。
 企業等の採用予定人数にもよりますが、よほど多い場合は別として、基本的に一つの高校からは、1社に対して1人しか応募させないことが多いようです。
 同じ企業に対して、複数の生徒が応募を希望した場合には、高校側で評定点などで判定して絞り込みますので、大学等の「指定校推薦」に似ています。
 ただし、よほどのことがない限り「合格」になる大学等の「指定校推薦」とは異なり、必ずしも採用内定に至るとは限りません。あくまでも「応募するためには推薦が必要」というだけのことのようです。

 このようにして応募した企業等から「採用内定」をもらえればいいのですが、「不採用」となってしまった場合には、その時に高校に届いている「求人票」の中から、また希望する企業等を探す……という繰り返しになります。
 つまり、一発で希望した企業等に「内定」すれば問題はないのですが、そうではなかった場合には、その後の「残り物」の中から選ぶことになるので、希望に近い「求人票」が残っているかどうかはわかりません。

 勿論、縁故などによって独自の就職活動をすることもできない訳ではありませんが、そのような伝手がある訳ではありません。

■ 障害者手帳との関係

 特別支援学校の場合には、障害者手帳を利用した……というか、障害者手帳を持っていることを前提とした就労を中心に進路を決める、と聞いていました。

 しかし、普通の高校の場合には、そのような前提の求人が来る訳ではありません。
 基本的に、障害の有無を問わない求人です。
 尤も、現在では「障害者差別解消法」によって「合理的配慮」が求められますので、求人票の条件に合致して採用した人が「障害者」だった場合にも、その「合理的配慮」は必要になります。
 ですが、その「合理的配慮」が物理的な理由などによって満たせない場合には、何が何でも適合させることまでは求められていません。可能な限りの「合理的配慮」をもってしても対応できなければ、働くことを諦めざるを得ないこともあり得ます。

 一方で、障害者であってもその職場で働くことに問題がないのであれば、企業側にとっても「障害者」の「法定雇用率」を充足させる上ではプラスになりますので、一概に有利か不利か、とは言えないと思えます。

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