9月3日(月)

何故かこのごろ、気がたるんでゐる様だ。仕事にも余り身が入らない。本を読んでもすぐあきる。夫婦の交わりはまだ出来ない。何かシゲキを求めてゐる様でもある。                           子供が無事に生れ、其の後も順調なので気がゆるんだのだらう。代務居残の連続でつかれ、体のふしぶしがゴキゴキ音がする程疲れてゐる。 しかし、俺の労をいやしてくれる何物かが俺の暮してゐる家にはない。      貯金を下して思ふまゝにシゲキを追い求めてやらうかとも考へる。そしてそれをやつた時の満足感を想像すると、ますますやつて見たくなる。併し、たつた三千円の天引がやつとしか出来ないくらい金のかゝる片倉家だ。

娘からの注:                            予定日を10日も過ぎてからの出産と、それに続く諸手続きや人付き合い、母のかわりの家事と、8月の父は気の休まるひまもなかった。おまけに代務と残業の連続。精神的肉体的に追いこまれた。パーッと気晴らししたくなるのも分かる気がする。思い出したようにビールを1本2本食卓に出されても気がすまない。

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横浜生まれ横浜育ち横浜住み。つまらない風景をつまらなく撮影するのが好きです。文章は、一所懸命書いております。

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昭和31年 片倉政幸の日記 (9月)

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