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レイチェル

私の大好きなゲームに「聖剣伝説レジェンドオブマナ」というものがある。初代PlayStationのRPGソフトだ。このゲームはRPGでありながらシナリオの進め方からマップの配置までプレイヤーが選択できる。また世界観が秀逸でキャラデザイン、グラフィック、音楽、SEと全てにおいてかなりのこだわりを感じる作品となっている。

中学2年で中二病真っ只中だった私はゲド戦記やらモモなどの海外産ファンタジー小説ばかり読んでいた。ある日クラスメイトとファンタジーの話で盛り上がり、彼女が「それならこれが気にいると思う」とこのゲームを頼んでもいないのに貸してくれた。私は半信半疑でプレイしたがこれが大当たりだった。私の好みを見抜き、私の生涯に残るゲームを紹介してくれた彼女には感謝してもしきれない。ゲームはすぐに返却して自分で購入し、アルティマニアまで買ってのめり込んだ。

このゲームの良さは数え切れないほどあるがまずはシナリオの良さを挙げたい。哲学的な要素が散りばめられていて、私が中坊のころは「で、どういうこと?」となる話も、成長してからもう一度プレイすることで「なるほどそういうことか」と改めて考えさせられるのだ。

そんな聖剣LOMの数あるシナリオの中で私が一番好きなシナリオは「レイチェル」だ。レイチェルという思春期の女の子とその家族の中で発生する小さな事件。登場人物の心の揺れ動きがいじらしく、ストーリーを見終わったら、彼らの今後の幸せを願わずにはいられない。

レイチェルの詳細ついてはこちらのブログにとても丁寧に書かれている。ブログ内に貼ってある動画も参照するとよりわかりやすいだろう。

ぶっちゃけ、上のブログの内容が良すぎるのでこれ以上書くことはない。私の言いたいことは全部そちらに書かれているのでぜひ読んでみて欲しい。

子供の頃はレイチェルのシナリオにピンと来なかった。でも独立し、家族が増え、あらためて考えた時にこの話の深みがよくわかった。

親は知らず知らずのうちに、子供に期待を押し付けてしまうものだ。でも彼らは自分から産まれたとはいえ自分とは全く別の一つの「個人」であることを忘れてはならない。

私はレイチェルを知っていたから、息子に対しても決して押し付けはせず、生まれた時から一人の個人として対等に付き合っていこうと決めていた。息子がいつかレイチェルみたいに心を閉ざす事があるかもしれないが、気長に待つことでまた戻ってくるかもしれない。

上のリンクにレイチェルのシナリオ内容が載っている。何度読んでも良いなぁ。

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